物流不動産ニュース

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物流で人生を送っている人 − 第10回 物流不動産のにぎやかな人たち

 15~60歳の生産労働人口は6500万人いると言います。仕事で生活している人びとです。物流業界はトラック運転手150万人を筆頭に、モードや機能に分かれておよそ300万人、5%の従事者がいます。IT業界まで含めれば、さらに建設、金融、企画マーケティングまで含めると、我が国の物流コスト相当10%を超えることになるでしょう。支払い物流費は勘定科目で把握している限りで5%、生産流通の工程での物流従事者は測りようがありません。

 我が国は未曾有の状況下に落ちました。まさに舞台が暗転して奈落に気づかず落ちたわけです。景気は流行のように戻るでしょうが、7割経済とかいわれる実体経済の大転換が起きるはずです。せり上がりから戻ってみれば観客も舞台もすでにいなくなっている事態です。

 耐久消費財の代表格だった住宅自動車家電設備は、高齢化と人口減によって内需は4割確実に下がり、似て非なる商品デザインでなければ採用されることもないでしょう。ブランドや所有欲で売れた自動車は、安全な移動手段としてデザインし直さなければ関心をかうことができないでしょう。

 日本がダメならアジアがあるさと高をくくっても、かの地には多くの人口があり相対的に優秀な技術者や物流マンは、総数としては我が国よりも多く潜在していることになるのです。競争の勝ち目はありません。

 300万人がこれまで通りの夢を描くには、文書化文化を忘れていて知恵による天の恵みを独り占めされた金融家を見習うべきでしょう。?????

 物流の金もうけは辛く厳しく容易ではないことを、体に染みつかせてきてはいるものの、その理由は顧客に追従してきたためと気づけば、顧客の選択という隠れた強みが目を覚まします。

 IT時代になってもモノの流通はなくならない、だから物流は最後の砦となって将来性があると見るのも間違えではないものの、体で稼ぐには限界と上限があり、競争は世界に広がります。それよりは、学卒割合の証拠であった文書化文化を社内に育成し、規模の経済公式から上流下流への進出を目指し、建設金融マーケティングITまでを取り込む、「物流もできる」企業人を目指すなら、およそ5000万人がその仕事をすることになるでしょう。企業は人と物に悩み、苦しみ、活路を見いだして成長を遂げてきたからです。その内、モノが得意なら、あらゆる資源を外部から活用すればできる、しなくてはならない、金は天下を巡り、新しいデザインの住宅自動車家電設備が登場するのは目前です。

 物流を知らねば企業人に在らず、という時流が手の中で未来となって動き始めているのです。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵)