回り続けて、巻き込もう wheel−第29回  物流不動産Bizの人材開発
教育や育成に正解はない。過去を振り返れば大成した人財は冷遇されていた。頭角を表すまでは衝突の繰り返しと言って良いだろう。優等生はそれだけで体制に組み込まれてしまい、革新や継続の役には立たない。企業が単一のビジネスモデルで成長を続けてきた時代は終わり、人が新たな方向ときっかけを作り出している事実がある。企業は経営者とともに栄え、続き、いつしか寿命を迎える。時代や価値観の変化に追随できなければ、巨大企業とて一瞬に退場を命じられることは明らかであり、多くの産業が衰退してきた。
物流は受け手として伸びてきたが、頼るべき産業が自動車業界だけという一本足打法では危うい。物流は流通と生産の肩代わりを始め、日本中の工業団地には工場から物流施設が雇用の受け皿になっている現実を見れば、これからの主流産業は「物流+」であることは明らかだ。
物流プラス〜、ここに若い発想と挑戦が求められている。
物流が何を為すのか、物流で何ができるのか。何が物流を求めているのか。
新たな知恵や技術は座して生まれるわけではない。走り回り、ぶつかりながらエネルギーの衝突から新素材や発見があるのは、物理学だけではない。
今、社会は新しい価値観と商品とサービスを求めて放浪を続けている。その中から新たな発見を追うことは、若者だけが持つ無謀と無茶と非常識なのだ。
チームのメンバーとなったキミたちが求められているのは、従順さでもなく、こぎれいさでもない。懸命に走りづけられる体力と気力と希求心なのだ。
知らないことは教えよう、分からないことは解説しよう。いつでも何度でも、繰り返し共に歩むことが教育と心得ているから、君たちについてゆこう。
走ってくれ、回ってくれ、ぶつかってくれ、そして新しい発見をつかんで欲しい。そう願うだけである。
イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント 花房 陵