ピンチをチャンスに変え、顧客を創造しよう! 
物流業を含め日本企業の海外進出が加速している。自動車、電機などのメーカーは海外現地生産の比率を高め、遅れていたコンビニエンスストアなどの小売業の海外進出も盛んになってきた。物流企業も例外ではなく、海外現地法人の開設など海外事業関連のニュースが、物流専門紙の紙面に載らない日はまれになってきている。各業界の急速なグローバル化についていけず、ピンチだと思っている企業も少なくないのではないだろうか。
しかし、そのピンチこそチャンスを生むのだ。時代の変わり目こそ、新たなビジネスに挑戦できるチャンスがある。
ピンチをチャンスに変えるには、世の中の動きをしっかり見極めるマーケティングが重要だ。どんなに不況でも必要とされる商品やサービスは必ずある。例えば、米国のアップル社は、アイディアと創造性で、顧客に同社の製品を買うことを「特別の体験」にさせ、世界中にファンを増やしている。ユニクロや格安航空会社の出現は、海外生産の強化や無駄な経費の削減が、低価格で消費者に支持される商品やサービスを実現できることを証明してみせた。顧客の役に立ち、夢を与えるサービスを提供できれば、顧客の心を捉えることができる。
人の役に立つ商品やサービスを一生懸命生み出せば、新たなビジネスチャンスをつかむことにつながる。時代の変化へ恐れずに立ち向かい、人の役に立つこと、人の必要なサービスを探っていけば、必ずチャンスの芽が見つかるだろう。
東運開発が、物流不動産ビジネスに乗り出したことも世の中のニーズを先取りし、顧客の要望に応えた好例だろう。20年ほど前、倉庫を探している顧客は、オフィスや住宅を扱う一般の不動産屋に行っても、規模や立地は当てはまるが、物流事業を行うには、適さない倉庫を提示されることがほとんどだった。お客様の物流に最適な倉庫の情報を提供できる事業者がいなかったのだ。そこで、一般の不動産事業者と違う、物流のプロの目から見た倉庫の情報を提供できれば、顧客の役に立つと思った。顧客の役に立つことを一生懸命考え、サービスを提供したことが物流不動産ビジネスという新たな事業を生み出した。
最近では、イーソーコ総合研究所が取り組んでいる倉庫リノベーション事業も、築年数の経ったビンテージ倉庫が空いてきているというピンチをチャンスに変えるサービスだと思う。ビンテージ倉庫は最近の物流には適さなくなりつつあるが、オフィス、店舗、スタジオの観点から見ると立地条件が良い物件もある。
さらに、普通のオフィス、スタジオなどに飽き足らない創造的な空間を求めているテナントがいる。倉庫をカンバスに夢のオフィス実現を応援するという同社の試みは、顧客の需要を掘り起こす活力ある新サービスと言えるだろう。
【倉庫リノベーションfacebook (http://www.facebook.com/#!/SOHKOrenovation)】
ピンチはチャンスだ。日本人と日本企業には、まだまだ可能性がある。グローバル化に負けず、たくましく学び、新しい顧客を創造し、国内外問わず活躍してほしいと願っている。