ビッグバン取締役ソリューション営業統括部 鈴木勝之部長 − キーマンに聞く 第11回 
今回のキーマンに聞くは物流ITベンダーのキーマン「ビッグバン」(本社=京都市伏見区、砂川玄任社長)の取締役ソリューション営業統括部長の鈴木勝之 氏。同社は、自社が持つTMS、WMSパッケージを大手物流企業、メーカーに続々と導入。今年9、10、11、12月の4ヵ月の売上は4億円をすでに確保 しています。あまりの受注に対応する人材、新規案件を対応する人材が足りず、現在、システムインテグレーター、システムエンジニアの確保に努めています。 物流拠点におけるIT化を支える好調ビッグバンの動向について、取締役ソリューション営業統括部長の鈴木勝之氏にお話を伺いました。
<写真・鈴木勝之部長>
―今年の状況はどうでしたか。
2008年1月は、ビッグバンの筆頭株主が清算されるというアクシデントがあり、それに伴い銀行からの借入ができないという、前途多難な船出でした。
これを乗り切るため、弊社では事業戦略・営業戦略の経営的な方向転換が急務でした。
その結果、資金調達の厳しい局面が昨今まで続きましたが、事業戦略・営業戦略の建て直しが効を奏し、現在は多くのチャンスにも恵まれ立て続けに受注を頂ける事となりました。9月から12月の4ヵ月間に売上:約4億円の計上を見込んでいます。
収益の取れる企業体質へと変貌し、状況は年初といまでは180度変わりましたね。
―年初の厳しい情勢から、短期間でこれだけ変革を遂げられたのはなぜですか。
まず弊社のリソースを徹底的に見直したことです。その結果、弊社が持っている質の高いパッケージソフトを全面に出すことで最終的に品質が高くローコストで提供していくことが可能になります。
弊社では、中国・西安にプログラム開発部隊を置き、弊社で提供するパッケージ、カスタマイズソフトの開発、日本企業からのシステム開発代行業務(オフショア開発)を行うことで、これまでもコストパフォーマンスに優れた体制を築きあげていました。
ここ最近は、どちらかというとオフショア開発の顧客獲得に注力し、オフショア開発要員を増やしてきたわけです。それを営業戦略を見直し、自社物流 システムに注力。パッケージ提供を事業の中核に据え、標準機能に加えたアドオンのカスタマイズ部分を中国開発での圧倒的なコストパフォーマンスでご提供を しています。
―詳しく説明してもらいますか。
例えば安価なソフト提供手段としてはASPがあるわけですが、有効な手段の一つであると認識をしていますが、カスタマイズへの対応が制限され、企 業によっては望んだ機能が得られない要素があります。実際、弊社もASPのシステムを持っていますので、そのことは認識しています。
一方、従来のパッケージソフトはユーザーの要望に基づいたカスタマイズに対応できるとはいっても、カスタマイズ費用が嵩張り、開発コストが高くつ いてしまいます。ところが弊社の中国開発力を活用する事で、カスタマイズ費用を大幅に低減。ユーザーにとって魅力的な価格で、望む機能が提供する事が可能 になります。
このことによって、直近では大手自動車部品物流会社に対し、運行管理システムを導入。大手物流会社のシステム子会社に対し、WMSを納めるなど、引き合いは極めて多い状況です。
―牽引している物流パッケージは輸配送システムですか。
弊社が前々から市場でご評価を頂いてきた輸配送システムもたしかに堅調ですが、一番はWMSですね。
1データベース(DB)で複数寄託者に対応できる。さらにWeb対応で、インターネット環境で利用できるというシステムが持つ特長とともに、前述のオフショア手法を利用したカスタマイズへの対応で、引き合いは昨年と比べても、飛躍的に伸びています。
―飛躍的な引き合い増加は事業戦略の見直しがきっかけとなりつつも、ほかにも要因があるようにみえますね。
口コミでシステムの特長が伝わったことに加え、新規アライアンス企業が増えたことで、新しいチャネルを獲得したことも大きかったですね。
従来、アライアンス企業はITベンダーが主だったのですが、ハンディターミナルメーカーや通信業者(キャリア)など各社からのアライアンスオファーも受けている状況です。
こうした自社の物流パッケージ開発に注力しつつ、波動を吸収するためにオフショア開発、流通システム事業を活用しています。
―いまの状況に死角なしですね。
いえ、いまでも至らない所はたくさんあると思っていますし、地道な努力のもと、少しずつ積み上げていかなければならないものはあります。常に改革改善は必要です。今年の活動スローガンは「変革と挑戦」ですから。
あと人材ですね。
中国に開発要員は揃っているのですが、お客様に訪問し要件確認、仕様確定、仕様をまとめ上げるシステムインテグレーター(SI)、システムエンジニア(SE)は総合的なバランスを考えると明らかに不足しています。
おかげさまで受注数が大幅に増えていますが、これに対応したSI、SEが揃わないために、せっかくの案件をやむなく断わらざるを得ない状況になりそうです。
余裕があれば大卒、専門卒の新人を採用する手ではありますが、これだけ受注が集中してしまうと難しく、中途採用で経験豊かな優秀な人材を探しているところです。ぜひご紹介して欲しいです。
―人材募集中というわけですね。どのような人材が欲しいですか。
弊社のコアビジネスですので物流業に対する知識は必要です。
具体的にはWMS系、TMS系の経験豊富なシステムインテグレーター、システムエンジニア(年齢30~45歳)。とくにWMSに精通した要員は欲 しいですね。現在募集中なので、該当して、やる気のある方はぜひ来てください。事業再編と並行して社内の意識改革を行っており、メンバーの意欲も高まって おります。非常にやりがいのある職場だと思いますよ。
(制作執筆協力・ロジスティクスIT研究所)
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担当:鈴木勝之
電話:03-3524-5955
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