エム・ケー▼市街化調整区域を活用した物流センター開発 
2008年05月01日 【物流ウィークリー http://www.weekly-net.co.jp/】エム・ケー(東京都日野市)は倉庫・物流センターの開発、なかでも市街化調整区域の活用に強みを持つ不動産企業だ。現在、開発中の用地は30万坪を超えるという。小林勁社長(写真)に話を聞いた。
マンションディベロッパーとして事業を開始した同社。平成元年、伊勢丹の配送センターを埼玉県所沢市の市街化調整区域に建設したのが、物流業界と深くかかわるようになった発端となった。
小林社長によると「最近多いのは2〜3か所のセンターを、一つに集約したいというニーズ。このような場合、最低でも1万坪は土地がないと対応できない」という。
そのため、広大な土地を用意できる市街化調整区域が物流センター用地として注目を集め、同区画の開発を得意とする同社には、佐川急便やキリン物流など大手企業からの依頼も次々に舞い込むようになった。
市街化調整区域の開発には行政の許認可が必要だが、「国交省や県、市・町に粘り強く働きかけ、申請手続きを推進していく」役割を担うのが同社だ。「区画の用途変更には税法や農地法などが複雑にからんでくるが、数多くの案件を手がけることで蓄積した知識を生かし、書類作成などについてアドバイスを行う」という。
また、同社は並行して地権者の取りまとめを行う。「税収増や雇用創出、地域活性化など、物流センターの建設は行政のメリットも大きい」とし、地元との協力関係を築いていく。「農地だと『(物流センターに転用することで)稼げる土地になる』ため、喜ばれるケースも多い」と小林社長。許認可の取得までは「平均で3〜5年程度かかる」という。
同社は関東エリアで事業を展開。小林社長は、「人気エリアは厚木、所沢、浦和、岩槻、三郷」と分析。需要の多いこれらのエリアで、海老名に約5万坪、三郷・草加エリアに約14万〜15万坪、久喜に約10万坪、岩槻と狭山にそれぞれ3万坪など、複数の大型用地について許認可取得業務を進めており、「平成21年から24年にかけて順次着工していく」としている。
また、物流総合効率化法(物効法)も、積極的に活用していく構えだ。各自治体が同法への基本方針を打ち出すなか、同社は神奈川第一号案件としての開発を実現している。小林社長は、「事業者と行政間の風通しを良くし、土地の有効活用と企業発展に貢献していきたい」と話す。
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