紳士服・青山商事▼RFID活用したセンターを千葉市美浜区で本格稼働 
2010年03月03日 紳士服の「青山商事」(本社=広島県福山市、青山理社長)は、千葉市美浜区の「千葉センター」を2月より本格稼動させた。
同社はこれまで、神辺商品センター(広島県福山市)と井原商品センター(岡山県井原市)の2ヶ所のセンターで、スーツ、礼服、ジャケットなどの重衣料アイテムと、洋品、カジュアルなどの軽衣料を全国の店舗に週2回程度振り分け配送し、田川商品センター(福岡県田川市)がそれを補佐する体制となっていた。首都圏初のセンターを本格稼働させたことで、重点出店地区としている首都圏に積極的な出店体制が整うこととなる。
千葉センターの最大の特徴は、日本で初めてRFIDタグを利用した自動化機器のホイールシステムを導入したこと。欧米数社で採用されているドイツのガートナー社のホイールシステムを原型に、同社独自の工夫を加えたことで、、24時間ノンストップで高速無人ピッキングができる機能を備えた。
具体的には、このシステムは、センター内に張り巡らせたレール上を、RFIDタグ搭載のホイールに吊り下げたスーツや洋品が移動し、保管、仕分け、出荷を自動的に行うというもの。センター内に入庫する商品とホイールに搭載された最新のタグを紐付けし、センター内の情報管理を全て自動的に行うシステムで、搬送、保管、仕分けは全てホイールで行われる仕組みとなっている。
この機能によってもたらされる効果は、日々適正な商品量を供給し、店舗在庫を維持することで、店舗のバックヤード在庫を最小限にして賃借スペースを少なくすることができる。そのため、従来型店舗の売場面積は150坪以上が必要とされていたが、賃料の高い首都圏の物件においては100坪から120坪程度の店舗でも出店が可能になり、賃借料の軽減につながるとともに対象物件が広がり、出店のスピードを上げることができる。
もうひとつの特徴は、早朝納品の実現。これは早朝に無人店舗での商品受け渡しができるシステムで、千葉センターの夜間無人ピックアップ機能を活かして開店前に店舗への商品配送を実現する。これにより開店時からの品揃えを充実させ、日中の交通渋滞を避けて配送効率の向上を図ることができる。また首都圏の店舗に早朝納品することで、翌朝には売れた商品の売場補充ができるため、翌日の販売機会ロスを防ぐことができ、さらに繁忙期は早朝納品に加え夕方納品をすることで、当日の夕方以降の売り逃しも防止できる。
このほか、千葉センターから商品をハンガー納品することで、商品の売場補充が短時間で行え、仕入伝票入力などのバックヤード業務が軽減されることにより、従業員の接客時間の創出につながり、エンドユーザーへのサービス向上を図ることができる。