星和ロジテム▼中温度帯の共同配送システムの稼働を開始 
2010年04月01日 【物流ウィークリーhttp://www.weekly-net.co.jp/】安全・安心輸送はもちろんのこと、食品はさらにクオリティの維持・鮮度が追求される。星和ロジテム(大阪府茨木市)は今年3月から、中温度帯の共同配送システム(CCDシステム)の稼働を開始した。
小ロットのパンやお弁当、おにぎりなどを独自の共配網を生かし定温配送(20度から25度)を行うことで、商品本来の品質を保ったまま納品するシステムを構築した。
同社は主に食品関連の物流を手掛けているが、既存顧客に中温度帯の食品を扱う大手企業が多いことや、関西一円に198ルートの共同配送網を有することが同システム発案の根拠となった。
商品のクオリティ維持に対するニーズは多いが、星恒太郎社長(写真中央)は「従来、パンや米飯などの中温度帯の食品は、配送温度帯の差異の問題で既存の物流経路に組み込むことが難しく、流通の少なさとも相まって、やむなくチルド帯の物流経路で配送していた」と説明。
その上で、「これらは食品がもつ本来のテイストを少なからず低下させており、メーカー各社は定温で小売店・消費者に届けることが強く望まれていた。定温による物流が可能になることで品質向上と消費者の満足度の高まりが見込める」と新たな販路をにらんだ。
それを受け同社は、既存顧客用の定温スペースを活用して、これを完全な定温倉庫に改造し拡張。車両については、全車両をチルドと低温の2層式に改造して車両を配置。星社長は「定温専用車の導入も行い、CCDシステムの完全稼働を可能にした」と話す。
同社は、同システムの活用で「顧客側の経費削減と商品クオリティの維持」「消費者にとって価格の低減と商品への満足感」「新たな収益源の獲得」などを強みに展開していく考え。
また、新たに事業部を設けBtoBソフトの開発や販売をはじめ、「向こう2期以内の財務目標として売り上げを年20億円、経常利益率8%の達成を目指す」とし、「実際に新規上場できるかは現時点では未決定だが、少なくとも上場を選択肢に入れられる会社を目指したい」と語る。
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