【LNEWS(http://www.lnews.jp）】電気化学工業は7月26日、主力工場の青海工場（新潟県糸魚川市）にクロロプレンゴム専用の大型自動定温倉庫を建設したと発表した。
　同社は青海工場でカーバイド・アセチレン法によるクロロプレンゴム（商品名：デンカクロロプレン）を1962年から製造しており、自社で採掘権を持つ石灰石原石山の原料採掘から製品出荷までの一貫した生産ラインを保有し、自家水力発電設備を活用した事業を行っている。
　クロロプレンゴムは新興国の経済成長等により需要が増大しており、同社は2010年の初めに年間生産能力を7万トンから10万トンに増強した。これにあわせて、物流効率化と省エネルギー強化のため、製造設備に隣接する大型自動定温倉庫を建設した。
　クロロブレンゴム出荷量の8割以上は海外向けのため、工場近隣港を利用したコンテナ船輸送の拡大は物流効率化の大きな課題だった。総保管能力を従来倉庫の6000トンから1万2000トンに倍増。
　輸出用コンテナへ直接積み込む設備を増強することで対処するとともに、自動搬送設備導入や温度管理設備強化を通じて、ユーザーニーズに対応した物流品質向上を図る考えだ。
　製造設備と新倉庫を直接自動搬送装置で結ぶことによって、入・出庫～在庫～営業情報の一元管理システムを行い、工場内の物流効率化を強化する。
　新倉庫稼動にともない、近隣港利用拡大による陸路輸送短縮でCO2を1100トン／年、工場内物流合理化で200トン／年と最終的なCO2削減効果を年間1300トンと試算している。
新倉庫の概要
場所：青海工場
　　　（製造ライン隣接地）
設備投資額：約30億円
竣工：
自動定温倉庫：5月
自動搬送装置：11月
倉庫面積・規模：約4500㎡
内倉庫部分：2300㎡
高さ：31m
総保管能力：約1万2000トン
主な仕様：温度管理設備
　　　　　　（通年20℃以下）
　　　　　　全自動搬送設備