SBSHD▼3物流センターを80億円で売却 
2010年09月15日 【LNEWS(http://www.lnews.jp)】SBSグループの金融事業を担う、エーマックスは9月2日、シンガポール政府系リート会社であるMapletree Logistics Trust の日本国内における運営会社との間で、同社子会社などが保有している物流施設を売却する契約を1日に締結したと発表した。
エーマックスは、SBSグループの物流事業に必要な施設の開発と提供を担うほか、独自に顧客を発掘し物流施設などの不動産の開発、提供を行っている。特に3PL事業における施設開発は、荷主企業に最適なセンターを用意できるため、大きな経済効果をもた
らす有力な事業となっている。一方、物流施設の開発には多額の資金を必要とする。このため、同社は開発済みの物流施設を流動化などの手法を用いて資金を回収するスキームを構築している。今回の売却は同スキームの一貫として実施するものだ。
売却施設は、販売用や物流事業用に保有している3施設で、9月下旬に物件の引き渡しを行う。物流事業で使用している物流センターについては、賃貸契約を締結し、SBSグループの基幹センターとして引き続き使用する。
売却施設は、野田物流センター(千葉県野田市木野崎、価格48億円、土地2.4万㎡、延床3.6万㎡、竣工2009年、現況:自家使用)、入間物流センター(埼玉県入間市上藤沢、価格34億円、土地2.6万㎡、延床2.6万㎡、竣工2008年、現況:賃貸中)、岩槻物流センター(埼玉県さいたま市岩槻区、価格は非公表、土地3.9万㎡、延床2.8万㎡、竣工2007年、現況:賃貸中)。
売却によって回収する資金は約80億円、最終利益で約5億円となる見込み。回収資金は主に有利子負債の返済に充てる予定で、SBSグループの経営重点施策のひとつである財務基盤の健全化に貢献すると同社は見ている。
メープルツリー(Mapletree Investments Pte Ltd.)は、シンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングス(Temasek Holdings Limited)の子会社で、日本を含むアジア地域で不動産投資を展開している。運用不動産は、オフィスや物流・流通センター、工業・工場施設、商業施設など広範囲にわたり、4100億円超の保有資産に加えて、3700億円を越える資産を運用している。
シンガポール証券市場で上場しているREIT(不動産投資信託)、メープルツリー・ロジスティクス・トラスト(Mapletree Logistics Trust Management Ltd.)のメーンスポンサー。メープルツリー・ロジスティクス・トラストは、2007年にメープルツリー・インベストメンツ・ジャパンを日本に設立。日本物流倉庫の取得活動を続け、2010年4月末時点において全国9つの物流倉庫の運用助言をしている。
今回の契約先は、メープルツリー・インベストメンツ・ジャパンが運営する合同会社であるサマラ・ロジスティクス・1(所在地:東京都千代田区)となる。