トラック事業者▼飼い犬に手を噛まれる 傭車先に転職 
2012年03月14日 「飼い犬に手を噛まれたよ」と渋い顔で話すのは、近畿地方の運送事業者社長。同社の40代の営業担当者が突然退社したのだが、2人のドライバーと仕事を持って傭車先の会社に転職したというのだ。
昨年の12月に急に「辞めたい」と打ち明けられたそうで、理由を聞いてもはっきりとは答えなかったという。引き継ぎもままならない状態の退社で業務にも大きく支障をきたしたが、これまで長年勤めてきたこともあり、同社への借金200万円を退職金がわりに帳消しにしてあげた。
ところが、その後、辞めた翌日から傭車先の会社に転職したことが判明。さらに、「半年ほど前から計画していたようで、少しずつその会社に仕事を移していたようだ」とのことで、「月800万から1000万円の仕事だったが、実入りのいい仕事だけ持って行かれてしまった」と打ち明ける。
仕事だけでなく、最近辞めたドライバー2人も傭車先に転職していたことが判明。「いずれも優秀なドライバーだった。さらに、もう1人辞めようとしている」と、被害は広範囲に及ぶ。
「(辞めた社員と)傭車先の社長とは顔なじみで仲が良かったようだ。さらに、元請けの担当者も今回の件に関係しているらしい。信頼して任せ過ぎていたのがいけなかったのか…」と嘆く同社長。同業者として強く抗議したいところだが、元請けとの関係もあるため、今は悔しい気持ちをぐっと押し殺しているという。