北海道農政部▼定温貯蔵施設を推進 
2012年05月14日【物流ウィークリーhttp://www.weekly-net.co.jp/】
北海道農政部は4月4日、北海道食料備蓄基地構想を公表した。
高い食料供給力、冷涼な気候、豊富なエネルギー資源など北海道の優位性を生かし、大災害時に日本全体の食料の安定供給を担うという構想。物流面では、雪氷や冬季間の低温空気などの冷熱や、自給できる再生可能エネルギーを活用した備蓄・貯蔵システムの構築を目指している。
とりわけ、雪氷冷熱を利用した米・農産物などの「低温貯蔵施設」の導入支援や、大災害時にこれら貯蔵品を供給する「流通型食料備蓄システム」の構築を推進する。
雪氷冷熱による農産物貯蔵には、「電気冷房に比べランニングコストが安価」「CO2削減効果が期待できる」「除塵効果により清浄さが保てる」「穀物類の長期保存に向き品質も安定する」といった長所がある半面、「貯雪庫の建設費が高い」「入出庫によって冷熱が流出すると、温度が元に戻るのに時間がかかる」「温度変化に敏感なモノの長期保存に向かない」などの問題点を抱えている。
現在、北海道で雪氷冷熱を活用した貯蔵・予冷施設は、主に農協など農業団体が設置・管理しており、美唄市、名寄市、沼田町、むかわ町など10市町に15施設が稼働中。
このうち大規模な施設としては、美唄農協が設置した米穀雪零温貯蔵施設「雪蔵工房」(4450平方m)、沼田町が設置した米穀低温貯留乾燥調製施設「スノークールライスファクトリー」(5405平方m)があり、前者の貯雪庫容量は3600t、後者は1500t。
このような施設の導入に向けて、物流事業者の関心も高まっている。