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CBRE▼物流施設はインターネット通販で好調なマーケット続くと予想 

2013年02月19日

 【LNEWS(http://www.lnews.jp)】
 CBREは1月31日、賃貸物流施設の市場動向(2012年下半期)を発表した。
 それによると、物流施設賃貸・運営ビジネスを取り巻く環境が明るさを増してきているとした上で、各社は配送ネットワーク・配送インフラの拡充を加速させていく可能性が高いと分析。
 首都圏の物流施設賃貸マーケットでは、インターネット通販やファッション・アパレル向けの好調なテナント需要に支えられ、今後も堅調なマーケットが続くと予想している。
 2013年の新規供給は多いが、プレ・リーシングは予想以上に順調なペースで進んでおり、約半分のスペースでテナントが内定したと推定され、需給への影響は限定的になる可能性が高いとしている。
 コンビニエンスストアなどの新規出店拡大に伴う物量の増加もあり、賃料は中長期的に上昇傾向となることが期待できるとしている。
 特に、インターネット通販の成長に注目している。インターネット通販の成長モメンタムは勢いを増している。PCより気軽に注文が可能なスマートフォンの普及により、顧客層の拡大が加速している。
 2012年12月のインターネット通販大手各社の取扱高は2桁以上の伸びとなっていると推定される。
 経済産業省調べでのインターネット通販の市場規模は2011年で約8兆円だが、2012年12月単月で約1兆円に達したとする試算もあり、コンビニエンスストアの売上高を抜き、年間で10兆円規模に達するのも時間の問題としている。
 配送スピードが成長の重要な鍵となることから、インターネット通販各社は配送ネットワーク・配送インフラの拡充に一段と注力している。
 インターネット通販最大手の楽天は、即日配送を2013年6月を目途に始めると報道されている。アマゾン・ドットコムが翌日配送・即日配送を武器にマーケットシェアを拡大してきたが同社以上の物流網を目指すとされ、3年以内に国内総人口の7割をカバーする体制を目標に主要都市圏中心に物流拠点新設を加速させる見込みとなっている。
 もともと、インターネット通販モールの運営で急成長し、配送は各出店者に基本として任せてきた楽天が、自前での配送・在庫保管・管理に大きく転換してから約2年で配送網の拡充を一段と加速させることは、インターネット通販他社へのインパクトも大きいと思われ、インターネット通販業界全体の配送拠点・配送ネットワークの拡大ドライバーとなることも十分期待できる。インターネット通販の物流需要の大きさから見て、物流業界、特に物流施設賃貸・運営ビジネスには、中長期的にメリットとなろうと結論づけている。
 インターネット通販で大手のヤフーも配送面の強化戦略を急ピッチで進めている。2012年4月にアスクルと資本提携(330億円で42.6%の株式を取得)し、アスクルを主体に物流網の拡充を進め同社は2014年度頃までに517億円の投資を計画している。2012年12月にはコンビニエンスストア大手のローソンとの提携を発表、2013年1月からインターネットによる宅配を食品や日用品中心にスタートし、2015年度に売上高1000億円を目指すとしている。
 そのようなことから、首都圏の物流施設賃貸マーケットの動向と今後の見通しでは、インターネット通販会社やファッション・アパレル業界などを中心にテナント需要は好調に推移すると予想され、今後も首都圏の物流施設賃貸マーケットは堅調なマーケットが続くと予想している。
 2013年に首都圏で新規開業予定の大型マルチテナント型物流施設は過去5年の平均と比較して、約2倍という高い水準となっているが、プレ・リーシングは予想以上に順調なペースで進んでおり、すでに半分程度の面積についてテナントが内定したと推定され、需給への影響は限定的になる可能性が高い。コンビニエンスストアなどの新規出店拡大に伴う物量の増加もあり、賃料は中長期的に上昇傾向となることも期待できると予測する。