国交省有識者委▼「大綱」策定へ提言 
2013年05月16日 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
次期総合物流施策大綱を議論する国土交通省の有識者委員会(杉山武彦委員長)は4月30日、提言を取りまとめた。国交省は今後、提言を基に政策推進本部で議論。夏をめどに次期大綱を策定する。
「強い経済を支える」物流
提言が物流施策の目指す方向性として掲げたのは、「強い経済の再生と成長を支える物流システムの構築」。荷主、物流事業者、行政、国民らが連携し、全体最適な物流を実現する施策を打っていくべきとした。
物流施策のテーマは、(1)効率的な物流(2)環境負荷低減(3)安全・安心の確保――の3本が柱。前回の大綱を踏襲した形だ。
「効率」については、海外に進出する企業の競争力を支える施策などを講じるべきとした。高度な物流を支える人材育成も盛り込んだ。
「環境」については、CO2(二酸化炭素)削減のほか、東日本大震災以降、化石燃料への依存度が高まっているのを受け、エネルギーの安定確保に貢献する低炭素化に向けた施策を展開する。
「安全安心」は、災害対策やテロに対するセキュリティー強化などが必要とした。
推進体制整備が今後の課題
「これまでの政策が効果を挙げられず、現大網を策定した5年前の課題が手付かずのままだ。推進体制が重要になる」。30日の委員会ではそんな厳しい意見も。実効性が大綱の課題だ。
推進会議で目標を設定し、達成に向けた工程表を作成。毎年度、官民協働で取り組みの実施状況の検証を行い、結果を公表。PDCA(計画・実行・評価・改善)方式で進ちょく管理を行うことが必要と提言した。(松井 悠)