安田倉庫▼保管料、2期連続増収、単価下落を増床で補う 
2013年06月04日 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
安田倉庫(本社・東京、宮本憲史社長)の平成25年3月期決算は、活発な荷動きを追い風に保管料や庫内作業料などが増加。倉庫面積の拡張を続けた効果も表れ、売上高348億900万円(前期比1.2%増)、営業利益26億5300万円(同6.1%増)と前年実績を上回った。
国内物流が業績をけん引した。新規案件獲得や既存顧客の業務拡大が続き、保有施設がフル稼働。現在は「ひっ迫が解消しつつある」(宮本社長)ものの、通年で好調を維持した。
保管料の単価は「この3年間で6~7%減」(同)と下落傾向にあるが、施設の保有面積を増床し保管量を増やすことで補った。
昨年11月には埼玉県加須市に延べ床面積9000平方メートルの新倉庫を稼働するなど、グループ全体の物流施設面積は42万4000平方メートル(前期比3.9%増)に。保管料は59億5500万円(同3.7%増)となり、2期連続で上昇した。
来年1月には大阪で新倉庫
4月からは新たな中期経営計画を始動。国内では顧客ニーズに先回りして対応する「提案型企業」を目指し、従来の保管や流通加工だけでなく、機器の据え付けやネット通販支援などの周辺業務も幅広く手掛ける。
施設については来年1月、大阪府茨木市に延べ床面積約2万3000平方メートルの新倉庫が加わる。フル稼働した場合、9億円前後の売り上げを見込む。
今期の業績予測は売上高354億円(前期比1.7%)、営業利益26億円(同2.0%減)の増収減益。減益となるのは新規施設の稼働、大型の修繕工事などに一時的な費用が掛かるためで、主力の物流事業は増収増益となる見通しだ。(小林 孝博)