ことば教えて!▼契約の書面化→適正取引へ国交省の秘策 
2013年11月16日【輸送経済】
輸送を依頼する業者と、実際にモノを運ぶトラック業者の契約を書面で取り交わす制度。あらかじめ業務内容、運賃などのルールを確認し合うことで、荷主との適正取引につなげるのが狙い。
書面を使った契約は業界で十分に定着しているとは言い難い。全ト協によると、契約を書面化している事業者は全体の約4割。突発的な仕事の際は大手でさえ、口頭で契約を結ぶケースがある。
口約束だと、荷主から適正な料金をもらえなかったり、付帯作業を押し付けられる事態も起きている。国交省はこの問題を重く見て、今年度内の施行を目指す考え。
だが、業界からは業務の負担増などを懸念する声が根強い。新制度は、契約の際に、仕事を頼む企業と受託する企業の間で書類を出し合うとしているが、荷主への拘束力はない。「荷主に書面の提出を義務付けるべき」との意見も出ている。国交省は業界の理解を得るための説明に追われ、正式なルール決定などの作業が遅れている。