SBSグループ▼29年に売上高2000億円 自立成長とM&Aで 
2014年02月28日輸送経済
SBSホールディングス(本社・東京、鎌田正彦社長)は4カ年の中期経営計画「SBS Growth 2017」をスタート。グループ成長の柱を(1)3PL(サードパーティー・ロジスティクス)(2)アジア(3)物流施設開発――の3つに絞り、創立30周年となる平成29年12月期までに連結売上高2000億円、営業利益80億円を目指す方針。自立成長とM&A(企業の合併・買収)の積極活用で目標達成に向かう。
今回の中計は「国内にとどまらず、アジアを代表する物流企業として業界トップグループ入りを目指す」(SBSホールディングス)グループ成長の指標となる。
成長軸の1つである3PL(サードパーティー・ロジスティクス)は、25年12月期比1・5倍の700億円を売上高目標にして拡大。(1)ローコスト運用(2)提案営業(3)施設開発(4)M&A――の4つの力でシェア拡大を図る。主に消費財関連、メーカー物流などBtoB(企業間物流)の拡大、ネット通販向け物流の開拓を進めていく。
施設開発投資5年で500億円
3PLと一体で進める物流施設の開発には、30年までの5年間で国内外合わせ500億円の投資を計画。横浜やタイで建設・計画中の案件に加え、埼玉、千葉など関東圏で施設開発を進める。
「実需があれば1000億円投資しても構わない。投資額の大小にこだわらず積極的に開発を進めたい」(鎌田社長)。計画以外にも、大阪での大型施設開発を検討中。海外ではインドで高まる倉庫開発ニーズに対応していく方針だ。
開発した施設は、私募ファンドなど金融ノウハウを活用して流動化。新たに顧客を獲得し、流動化で回収した資金を施設開発に再投資するという循環を生み出し、3PL拡大に弾みをつける。
M&Aは450億円を計画
海外は、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国、インド、中国など東アジア地域を対象に事業拡大。M&Aや現地パートナー企業との連携も生かし、国際物流の売上高を25年12月期比5倍の300億円に押し上げる。
シンガポールに置くアジア全域統括機能やタイ、マレーシア、ベトナムの拠点を強化。インドは現地子会社アトラス社を通じて事業拡大を進める。中国では香港を起点に日系企業からの受注拡大、本土進出を図る。
「売上高2000億円達成は自立成長だけでは難しい」(鎌田社長)として、450億円のM&Aも計画。国内の3PL企業、国際物流企業、海外の物流企業を対象に進めたい考え。人材事業強化なども視野に、「複数社を想定」(同)する。(水谷 周平)