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大林組▼「現場上向きロボット溶接工法」を開発・適用 

2016年02月21日

大林組が、現場溶接型鉄骨梁の耐震性能向上と施工の省力化を実現する「現場上向きロボット溶接工法」を開発した。

鉄骨造建物の柱梁接合部の施工方法は、柱に対して梁のウェブを高力ボルトで接合し、フランジを工事現場で溶接する「現場溶接型」と、柱に梁の一部(ブラケット)を鉄骨加工工場で溶接し、工事現場ではブラケットと梁をボルトで接合して柱と梁を組み立てる「工場溶接型」の2種類に大別される。現場溶接型は工場溶接型に比べて材料や製作、保管・輸送のコストを抑えられるというメリットがある。しかし、技能者が下フランジを下向きに溶接する際、フランジとウェブの交差部にスカラップ(溶接施工に必要な孔(あな))を設ける必要があり、地震時にはスカラップを起点に亀裂が発生しやすいことが課題であった。さらに近年は、高齢化や若年層の入職率低下による技能者不足が懸念されており、現場溶接の省力化・省人化が求められている。

今回、大林組は、ロボットで上向き溶接することにより、現場溶接型の構造上の弱点であるスカラップをなくして耐震性を高め、さらに、施工省力化を実現する「現場上向きロボット溶接工法」を開発した。同工法は既に、大林組東京機械工場事務所棟(埼玉県川越市)および同大阪機械工場事務所棟(大阪府枚方市)施工時に適用されている。