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竹中工務店▼吉野石膏と共同開発の放射線遮蔽ブロックが福島原発で採用 

2016年10月19日

竹中工務店が吉野石膏と共同開発した放射線遮蔽ブロック壁「RadBlock-X」が福島第一原子力発電所新事務本館新築工事に採用され、建物のエントランスホール守衛室受付に設置された。

原子力関連施設はもとより、放射線治療を実施する高度先進医療施設や最先端の研究施設などでは放射線を遮蔽する必要がある。ガンマ線、X線といった放射線の遮蔽には鉛板や鉄板などと併用して普通コンクリートが主に利用されてきたが、在来工法ではコンクリート打設やモルタル目地部処理により、施工中に発生する騒音・粉塵・汚れの発生を完全に抑えることができなかった。また、PC部材を活用した乾式施工とする場合には、遮蔽性能を十分に確保するために部材の寸法精度を高めることと、部材を構成する材料のばらつきを少なくすることが課題であった。

「RadBlock-X」は石膏を主成分に天然素材を添加した新素材から成り、主にガンマ線、X線に対して高い遮蔽性能を発揮する。重量約16kgのブロックを積層施工するもので、施工性に優れ、短工期かつ工事騒音や粉塵の大幅な抑制が可能。また、環境に優しい素材から構成され、施設内のレイアウト変更時にも再利用できる。ブロックの上下左右端部を凹凸形状とし、壁周辺部の鉄骨フレームの溝部にはまるよう施工する。普通コンクリートに比べて部材を薄く設計することも可能で、設置条件に応じた耐震性能を確保することができる。