三井不動産▼入札頼らず用地取得、大型施設6棟開発 
2017年07月22日三井不動産は20日、物流事業に関する記者説明会を都内で開き、新たに着手する6棟の開発を発表した。同社は2012年、物流事業に進出して以来、稼働中施設は15棟、開発中施設は13棟の計28棟を運営。開発物件も加えた総延床面積は240万m2、全投資額は約4000億円。
同社物流施設は三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)のブランドで展開。テナントは、同社の商業施設やオフィスビルに入居する企業をはじめ、日本通運、センコーなどの大手物流事業者、近年ではネット通販事業者の入居も多い。昨年度までに竣工した施設の入居率は100%。
今回発表された施設はMFLPつくば(延床面積2万5500m2)、MFLP川口Ⅰ(54100m2)、MFLP船橋Ⅱ(22万5000m2)、 MFLP羽田(8万4400m2)、MFLP川崎Ⅰ(3万8800m2)、MFLP大阪Ⅰ(4万8300m2)。いずれも2018年3月から2020年4月にかけて竣工、6棟合わせた投資額は約1000億円となる。「物流施設用地を入札に頼らないことが当社の強み。お客様からご相談をいただき、時間を要しながら6棟の用地を取得した」と三木孝行常務は語る。
同社は屋上テラス、全物件への免震構造ほか、デザイナーによる外装デザインなどで競合デベロッパーとの差別化を図る。稼働中のMFLP船橋Ⅰは商業施設ららぽーとから近いため、「殺風景な物流施設にしたくない」(同)ことから、オーストラリア人のデザイナーを招へい、外壁ルーバーを緑に着色するなど、業界では極めて珍しい手法を採用した。
今後の開発は年間4物件、投資額は約400億円となる見通し。札幌、仙台、名古屋、広島、福岡へ地域拡大のほか、東南アジアでも検討するとしている。
ランプウェイ以外、物流施設らしからぬデザイナー物件「MFLP船橋Ⅰ」