ロジスティクスファイナンス finance(第18回) 物流マネー70兆円のゆくえ
今の日本に溢れているのは若者の夢とふんだんな四季の幸、であれば嬉しいが実のところ溢れているのは投資に向かわないタンス預金とそれを大事に抱え込んでいるシニア世代なのだ。マネーの価値は限りなくゼロに近づき、保有することが虚しいほどにゼロ金利が続き、買わない・食べない・遊ばないシニアが街を散歩している。小売店は閑散として、大型モールは日々の売上家賃を毎日勘定するほどのヒマが溢れている。
大量高速が物流の得意技だから、シニア生活の面倒見るサービスと金融代金の回収、支払い立替、融資の代参などがビジネス領域に入ってこないことが不思議だ。
具体的にサービスメニューを展開すると気づくが、すぐさま取り掛かれるし、リスクも思いのほかに少なく、単独でも荷主連携でもOKといえるだろう。
シニアサービス:住宅リフォームメンテナンス、家財道具保守とレンタル、給食サービ ス、年金相談、健康診断、モーゲージローン、団体旅行、ハウスクリーニング、家財保管、遺産相続整理支援、不動産鑑定評価、長男一家との墓参契約、見守りネットワーク、買い物代行・・・
ファイナンス:在庫担保での企業融資、販売伝票担保での代金回収、融資代参、銀行交渉肩代わり、貿易代金立替、労務経費給与計算支払い、グループカード発行、保険代行、人材マッチング、社宅アパート費用、就学児童学資保険、共済開発による独自保険、動産保険、セキュリティ保険、自動車火災保険、両替代行、為替、株式投資、ベンチャー公募、クラウドファウンディング取りまとめ、技術特許申請代行・・・・
多いもの、あふれているもの、取扱に問題を抱えている量は物流領域であり、サービス開発の可能性が十分にある。スマホアプリでシステムを作るのもいいだろうし、ニーズをまとめて肩代わりするのも容易であろう。
そもそも、巨大倉庫、物流不動産の開発は個別ニーズではなく、あくまでもマスマーケットを狙っているのだ。
多くある、溢れている、取扱がめんどう、どこにでもある、・・・・それらのモノ、ニーズ、サービス、チャンスを手のうちに抱えるのは、気づく人材であり、スマートであろうとする若者なのだ。
物流とゼロ金利ファイナンスを組み合わせたサービスがあまりにも少なすぎると感じているのは、いったい誰なのか。
<イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント 花房陵>