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大和ハウス工業▼DPL市川に次世代物流ショールーム開設 

2018年04月18日

大和ハウス工業並びにダイワロジテックは18日、2016年に稼働開始のマルチテナント型物流施設「DPL市川」2階において、AI、IoT、ロボット等の最新鋭ショールーム「Intelligent Logistics Center PROTO」(以下、ILC)を完成させ、プレス向け内覧会を開催した。本稼働は4月25日の予定。

大和ハウス工業ではDPL市川2階部分(約6855m2)と、5月にオープンするDPL流山Ⅰを次世代物流の中心的拠点と位置付けており、物流タウン構想で最新テクノロジーを提供する流山のための実証を行う研究開発機能も兼ね備える。

「最新テレビCMの『物流にAIを』のコンセプトがこのショールームだ。物流の未来像を変える新しい形をお見せしたい」と浦川竜哉常務は胸を張る。ILCでは作業員、設備、システム等をトータルで提供する本来の物流センター機能のほか、庫内業務の効率化、省人化を実現するため、グループ会社提供によるプラットフォームを多数導入した。

ショールーム「Panoramaエリア」では、GROUNDの自動搬送ロボット「バトラー」を30基導入。デジタルピッキングを行うステーション(3か所)まで、バトラーが専用ラック(MSU)を持ち上げて搬送する。作業者はコンテナからラックを抜き取り、間口の表示器に示された必要個数の種まきを行う。

作業終了後にはMSUを所定の位置までバトラーが自動搬送するが、制御システム(WCS)側で高い出荷頻度の商品をリアルタイムに解析、移動しやすい前列に自動保管する。動線をなくすことで作業人員40%削減が実現する。

「通常の物流センターは荷主単位やブランド単位でトータルピックするが、バトラーは同じ形状の商品群をまとめて搬送できるため、シェアリングに最適だ」と語るのは、GROUNDの宮田啓友社長。ILCでは坪単位での賃貸契約ではなく、複数の荷主企業による従量課金制を導入した。

ダイワロジテックの秋葉淳一社長は「世界初のオープン型シェアリングサービスを目指す。激変する物流業界では、今後外資系の参入があるかもしれない。我々だけでできないことは、国内のパートナー企業と協業していき、構築したサービスを物流業界に提供して、メイド・イン・ジャパンによる物流品質を上げていきたい」と述べた。

ILCの荷主となるエアークローゼット、waja、Tokyo Otaku Modeのベンチャー企業の社長も会見に臨んだ。エアークローゼットは普段着に特化したファッションレンタルサービスを提供、「一番大切なのはお客様にお届けする物流。秋葉社長のILC構想に大きく共感した」と天沼聡CEO。ファッション通販サイトを手掛けるwajaの村田高宗CEOは「我々のような規模では自前でバトラー2台も導入できない。大和ハウスの熱狂的ファンとなった」、アニメ関連グッズの越境EコマースのTokyo Otaku Modeの小高奈皇光CEOは「物流の世界にも確実にシェアリングは訪れる。130か国に配送する実績やノウハウをプロト提供したい」と期待を寄せる。

Hacobuが提供するクラウド型配車・運行管理システム「ムーボ」は、バース予約にも対応。納品事業者側から希望納品時間枠、納品トラック等をオンラインで運送会社が登録。物流拠点ではバース自動割当機能による入荷スケジュール作成を行い、納品事業者側に確定のバース予約時間を割り当て、ドライバーの携帯に直接SNSで通知する。入庫したトラックのナンバーはソニー製カメラで撮影、クラウド上でAI識別を行う。

また、「Sasageエリア」ではアパレルの商品撮影、採寸、原稿作成の様子も視察可能。今後、日本でも増加すると思われる返品を再販にする業務では30%程度の人員削減効果を見込む。