物流不動産ニュース

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延☆嘉隆のSCM<Smile Chain Make>(1)連載再開にあたって 

大変ご無沙汰をしております。
連載を半年近くお休みさせて頂きましたこと、まずは、お詫び申し上げます。
この度、装いも新たに、【元祖ストリートスマート 延☆嘉隆のSCM<Smile Chain Make>】とタイトルを変え、従来の事実ではあるが耳が痛い箴言を吐くといったスタイルを改めます。理由は、シンプル。あまりに、イメージが悪過ぎた・・・(汗)

本題に入る前に告知を一点。当社は、物流領域のコンサルティング会社としては、極端に、情報発信が少ない方だと思います。しかしながら、心機一転、その態度も改め、「みんなの物流~Our Logistics~」と称して、
(1)今、物流業界に必要なこと、(2)他社様があまり取り上げないテーマ、(3)自分が頼むならこの人!を講師に迎え、取り上げるテーマにもよりますが、一回で終わる単発のセミナーではなく、毎月定例で開催していく研究会のようなスタイルでの会を少数精鋭で開催して参りたいと考えております。

その第一弾として、“物流現場で働く人”をテーマにした以下の研究会を企画してみました。

物流現場人材研究会 10月11日(木)開講 【全6回】
ただいま、ご参加受付中です!

現場の人の領域は、よく語られることではあるけれども、深く追求した人はあまりいない。業界的には、作業人員最適化とか、働きかた改革の流れで“勤怠”とか、そういった角度から語られることが多いと思います。

しかし、物流業や物流現場というものが労働集約型である以上、全ての作業工程が自動化・ロボット化されるまでは、コスト的にも、最も比重を占める現場の人について、もう少し掘り下げて考えてみる、あるいは、現場で働く人の“やる気”を引き出すといった視点のモノがあってもいいのではないか・・・と思い、これまで現場を拝見したなかで抜きに出た、働く人たちが“笑顔”の現場を作り上げられてきた講師を迎えての研究会に構成してみました。

が、しかし・・・。自社のデータで先行告知をしたところ、申込み状況は惨憺たる状況・・・。最低敢行人数の15名に至らなければ中止・・・という存亡が危ぶまれている・・・ものの“渾身”の企画ですので、チラシをご覧の上、ご検討頂ければ幸いに存じます。

一言だけ付け加えれば、現場で働く人との向き合い方が変われば、必ず、会社は変わる。このイズムが伝えることが出来れば本当に嬉しいです。

おそらく、同業他社様と異なり、私が、この点にこだわるのは、理由が2つあると思います。一つは、毎年、現場感を失わないことを目的として行っている現場作業をするたび、結局は、ここが原点だな・・・と思い知らされること。もう一つは、私が異業種(政治業界)出身で、物流現場を廻す感覚が、選挙をマネジメントする感覚と非常に似ており、ポスターの貼り方一つで当落が解る・・・と言われるほど、実際に、作業をする人たちのモチベーションが勝敗を分ける。だから、とっても大事だ・・・と心底思っている点にあります。

さて、長々と告知が続きましたが、本題に戻します。

イメージがあまりに悪過ぎた(*ガチであのような人物と思われた)のはさておき、一年間、連載をさせて頂くなかで、私自身が、「物流不動産」を見つめ直すいい機会となりました。連載の機会を賜ったイーソーコ経営陣の皆様、編集でサポート頂いた水上様には、この場をお借りして御礼申し上げます。

ザックリいえば、イーソーコ様は、「物流不動産ビジネス」にチャレンジすべし!というメッセージを投げ続けています。しかし、この一年間、投資ファンド等とのコラボレーションをしてきた身としては、「なぜ、今更、そのようなメッセージを発信しているのだろう」と思っていました。なぜならば、物流業に限らず、企業価値が高い会社、あるいは、経営が安定している会社には、何かしらの不動産賃料的な収益がある場合が多いからです。

物流業に目を向けてみても、実際、安定収益がある会社は、多くの事業用・事業外不動産を有していますし、売上に占めるその比率が高ければ高いほど、経営は安定する傾向にあると言えます。無論、頓珍漢なバブった不動産投資をしている場合は別です。倉庫業は勿論のこと、3PLと言われる領域でも、経営の観点から見て、面白いな・・・と感じる会社は、ニアイコールで物流不動産を上手く絡めていると言うことが出来ます。

実際、倉庫業であれ、3PLであれ、運送業であれ、必ずしも、「倉庫賃料」という費目では無いにしても、荷主企業からの報酬のなかには、何かしら、倉庫賃料をペイ出来るお金が含まれており、それを(物流)不動産収益と見做すのか否かの違いだけだろうと思います。強いていえば、業界の構造特性上、多い、中小・零細運送事業者や作業会社(荷役会社)が与信その他の関係で、倉庫を賃借する・購入するといったことが難しい場合を除けば、収益ポイント(キャッシュポイント)として物流不動産に着目するのは、寧ろ、自然な話ではないかと思います。

もっとも、それが坪貸しなのか寄託なのか、契約上の違いや業法上の制限、あるいは、嘗てのバブル期の不動産業に対するイメージをお持ちの方などもいらっしゃって、逆に、変な軛(くびき)があるのが物流業界のように思います。

結局は、経営者が好むか好まないかのような違いなのかもしれませんが、経営上の観点から、今一度、各社の踏み込み方の違いはあれど、物流不動産や物流不動産ビジネスといったものを再考出来るようなメッセージを発していければと思う次第です。

次回連載予定の「物流業(トラック運送業・3PL・倉庫業)の事業承継」では、物流業界で常識だと思われていた価値観やこだわりは、必ずしも、企業価値に反映されるワケでは無いことなどを触れてみたいと思っています。

過去のエッジが立った連載に、局地的なご支持の声もございましたが、再開後の連載では、自然体で、綴って参りたい所存です。

今後もあたたかい目で、新生 延☆嘉隆をご愛顧賜りますよう、お願いいたします!