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JILS▼全体最適志向でロジスティクス高度化 

2019年01月20日

日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は10日、経団連ホールで新年賀詞交歓会を開催した。

賀詞交歓会では冒頭、遠藤信博会長が登壇、「価値創造ある企業活動や豊かな人間の生活のためのプラットフォームであるロジスティクスシステムは、ソサエティ5・0において継続的な進化を目指すことが重要だ。今年は皇位継承に伴う元号の始まり、消費税引き上げ、働き方改革など大きな変化に対応する一年となる。各企業では調達・生産・販売・物流などの経済活動の最適化を図るための戦略であるロジスティクスを重要な経営課題として捉え、全体最適を志向した社内連携、企業間連携がますます求められている」と述べた。

JILSでは需要と供給を同期化させるためのロジスティクスのあるべき姿をまとめた「ロジスティクスコンセプト2020」の実現に向けた活動を本年も引き続き注力する。その一環として、前出のロジスティクスIoT推進部会をイノベーション事業に位置付けるほか、3月には荷主、物流事業者、ソリューションベンダーをマッチングさせるイベント「NEXTロジ推進部会」を開催するなど、産業界の課題解決に向けた活動を推進する。

「ロジスティクス2030」の発表は2020年1月の予定。そこでJILSは、2018年実施のグローバルSCMの米国現地調査や有識者で構成された研究会活動からの取りまとめを行う。「わが国産業活動と国民生活の持続可能な発展に向け、関係各省庁の施策と歩調を合わせ、産官での連携を強化、全力を挙げて課題に取り組む年にしたい」と遠藤会長は展望した。

来賓代表で経済産業省の島田勘資・大臣官房物流審議官が「ドライバー不足、貨物輸送の少量多頻度化、CO2対策、自然災害などを背景に安定的な物流の確保、サプライチェーン構築が求められている。こういった課題解決に向け、JILSでは物流事業者と荷主企業の連携を図るための懸け橋となり、物流生産性向上の取組みに今後も期待する。自動運転やAIなど、ここ数年間でロジスティクスを取り巻く環境が激変しており、経産省も新たな技術を取り入れるための環境整備や輸送現場でのイノベーションを後押ししていきたい」とあいさつした。

続いて国土交通省の松本年弘・大臣官房物流審議官は「物流はわが国経済活動の基盤となるが、人手不足が深刻化する現在、生産性向上が大きな課題。物流事業者の取組みだけでは限界があり、サプライチェーン全体の取組みが不可欠だ。サプライチェーンサプライチェーンのなかでは非効率化商慣習など課題は残されている。一例が納品時刻の平準化だけでも物流の生産性は向上する。これらをひとつひとつ改善していく必要がある。データ連携、物流・商流プラットフォーム構築は経産省と連携をとり、進めているが、サプライチェーンに係る多くのプレイヤーにご参加いただきたい。JILSの取組みは心強い」と述べ、乾杯の発声を行った。