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ラクスル▼複数運送会社で情報連携、新サービス開始 

2019年02月04日

ラクスルは、物流プラットフォーム「ハコベル」のサービス名を「ハコベルコネクト」に変更し、2月12日より新バージョンの提供を開始する。

旧サービスは一般貨物を取り扱う運送会社が対象だったが、今回軽トラック、カーゴなどを扱う軽貨物事業者と荷主のマッチングに特化、物流業界全体の効率化を目指す。

同社は印刷・広告のプラットフォーム「ラクスル」の前身となる印刷通販価格比較サービスサイト「印刷比較・com」を2009年から運営。印刷、印刷物のデザイン、ポスティングなどをWebから提供するシェアリングサービスを開始。印刷機のアセットを持たず、ユーザーの注文に即した印刷会社を選出、印刷機の非稼働時間に印刷を行うマッチングサービスを展開してきた。

かねてより物流業界向けシェアリングサービスを目指していた松本恭攝社長は、2015年12月より「ハコベル」を首都圏1都3県でスタート。荷主と運送会社をオンラインでマッチングすることで、無駄を省きながら配送案件を依頼・受注できる仕組みを開発した。

口コミなどで広がりを見せたハコベルの提携運送会社は、16年255社から18年には1797社に拡大、車両台数は4423台、ドライバー数は3723人。荷主は16年6499人から18年には1万6432人でマッチング率は平均95・63%。

1月24日に開かれた記者説明会で松本社長は「物流業界の課題はドライバー不足だけではなく、紙・電話・FAXによるアナログなコミュニケーションだ。伝達ミスや業務状況の確認のために電話リレーをするなどの生産性の低さが大きな壁だった」と指摘する。荷主から案件を受注しても自社車両だけでは配車しきれず、7割以上の案件を他の運送会社に求車した事例もあったという。

一般的なTMS(運行管理システム)は、自社の配車情報のみを管理するためのクローズドな環境が多く、協力会社との配車のやり取りはアナログに依存する。「そのため一つの配送案件の情報は、複数の運送会社でバラバラに管理されることとなり、情報の断絶が発生」(同)していた。

そこで同社はハコベルコネクトで、運送会社が保有する案件情報や運送業務に関する情報をオンライン上で可視化させ、複数企業が情報をスムーズに連携できる仕組みとした。従来のハコベルでは解決できなかった一般貨物事業者間の配車キャパシティ可視化、リアルタイムでの配車管理が可能。情報をデジタル化させ、案件情報を複数の運送会社やドライバーと共有することで、情報伝達にかかる手間が大幅に削減され、伝達ミスにもつながる。

記者説明会では松本社長がモデレーターを務め、ユーザーのコクヨロジテム、ハマキョウレックスを招いてのパネルディスカッションが行われた。ハマキョウレックスの野島法弘氏は「傭車が減少傾向にある。1社あたりの保有台数が削減し、新規の業者探しに苦労している」と話す。コクヨロジテムの巾田貴紀氏は「業界が抱えるムリ・ムダムラを解消でき、物流業界をよりよくできる」とハコベルコネクトに期待を寄せた。