プロロジス▼猪名川プロジェクト、防災・雇用面で支援 
2019年11月02日プロロジスは10月31日、ハモードR.モガダム会長兼CEO来日に伴い、記者会見を開いた。
同社は19か国で7400万m2、3793物件の物流施設を運営。20周年を迎える日本法人は95物件、641万m2を開発。
モガダムCEOは「多様性がプロロジスの大きな特長だ」と語り、荷物分類は食品、消費財、電化製品、アパレルほか、多岐にわたることから業種分散によるリスク軽減を強調した。
一方でモガダムCEOは「今までになく、施設開発の制約が出てきた」と明かす。グローバルベースでの開発用地減少、資金調達環境などが背景にある。しかし、サプライチェーンのコスト上では輸送費で約半分、人件費が3割程度占めるなか、物流施設の賃料は5%に満たないことから、今後も施設集約などのニーズは底堅いと、モガダムCEOは分析した。
日本法人の山田御酒社長は物流不動産の国内市場と同社の動きを語った。延床面積5000坪以上の先進的物流施設が倉庫全体に占める割合は2012年で2%に満たなかったが、2018年には4・5%となった。「欧米と比べ、まだまだ低い。近年は3PL、EC、コンビニの物流に関わる需要が高まってきた」と山田社長は話す。
そこで同社はハードな面からのアプローチから、ソフト面にも注力し、差別化を図る。その一環として、ユーザーの課題解決を目指す。短期・小スペースのシェアリング、雇用継続サポート、単発バイト採用のサポートを進めるなど、複数企業とのコラボレーションを進めてきたが、庫内オペレーションの見える化も近日稼働を開始する。
関西地区で進めてきた同社最大規模の猪名川プロジェクトは、20204月に着工を開始する。6階建てで総床面積は19万8000平方㍍、MonotaRoが4フロア13万平方㍍の入居を決定しており、竣工予定は2021年11月。猪名川町との防災協定を締結したほか、地元での雇用面での促進を図る。
また、開発中の「プロロジス海老名Ⅱ」BTS型冷蔵倉庫としてオイシックス・ラ・大地の入居が決定した。「冷蔵倉庫をオーダーメイドで造るもの。テナント退去後もドライ倉庫に回復させないなど、一歩踏む込んだ提案もこれから進めていきたい」と山田社長は展望した。