プロロジス▼「関東と関西に資源を集中」 
2008年09月03日 【物流ウィークリーhttp://www.weekly-net.co.jp/】物流不動産のプロロジス(山田御酒プレジデント兼日本共同CEO、東京都港区)は、付加価値の高い施設を提供することで、入居企業から大きな支持を獲得。現在、日本国内で90棟、総延床面積425万9060平方mの物流施設を運営(開発・計画中のものも含む)している。
6月には、成田空港至近に「プロロジスパーク成田III」(千葉県山武郡、延床面積7万7690平方m)を竣工。地上6階建てで、免震構造の採用や、クラック(ひび)対策が施された床施工など、同社がこれまでに蓄積してきたノウハウが生かされた施設に仕上がっている。
同社施設のエリア別立地状況を見ると、「関東が50%、関西が30%。東北、九州、中部で残り20%を分け合っている」。東名阪の主要都市圏と、福岡・仙台の地方中核都市をある程度おさえた今、同CEOは「関東と関西に資源を集中させる」という「回帰」戦略 を描く。
「経済に不透明感が出てきた時は、最も大きなマーケットに集中させるのが鉄則」。これは、「(顧客となる)メーカーの動きがそうなるから。荷主を獲得しようとする物流事業者の動きも、しばらくは様子見になるだろう」と見ている。
アメリカに本社を置くだけあって、「サブプライムローン問題の影響を敏感に感じてきた」という同社。経済の先行きを見越して、「今年・来年に出てくるであろう主要マーケットの新たな需要に対応できるよう、昨年から準備を進めてきた」。今年の最終クォーターで、関東・関西で大型案件をスタートさせる予定もあるという。
同社の最大の特徴は「全世界のネットワーク」。サブプライムローン問題でアメリカ経済全体が沈下している今は、「中・東欧やロシア、いまだ元気な中国、そしてインド、中東などに投資資源を集中させている」。特に「世界のハブ港」を目指して港や空港の整備が進められているドバイでは、先行投資として大型の投資を行っているという。
同社は日本でも着実に施設数を伸ばしている。同CEOは、「大型施設に対するニーズは減らない」と分析し、「経済状況が厳しい局面にある時こそ、機能性の高い施設を使って効率性を上げるべき」と持論を展開。
施設の供給量が増加している現状については、「テナント獲得の競争は激しくなっているが、『一番良いもの』を作っているという自信はある」と言い切る。自社で設計・施工やプロパティマネジメント(PM、施設管理)の部隊を持つことも、顧客の信頼獲得につながっているという。
「賃料を安くしてお借りいただいても意味がない。トータルでお客さまの効率化に貢献し、喜んでもらうことが重要」。同社は、「いかに(テナント企業に)居続けていただけるか」をテーマに、今後もさらなる利便性の向上を図る。
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