日通総研▼4-6月も荷動きは低迷 
2009年05月18日 【LNEWS(http://www.lnews.jp)】日通総合研究所は4月24日、企業物流短期動向調査(日通総研短観)の調査結果の概要を発表した。3月に製造業・卸売業の主要企業2500事業所にアンケート調査したもので、回答したのは1093社、回答率43.7%だった。
概要によると、国内向け出荷量の動向では1~3月実績(見込み)の業種別荷動き指数を見た場合、全業種で2桁の減少となり、比較的必需性の高い食料品・飲料や消費財卸を除いて△60超の大幅な減少となった。4~6月の見通しでは、化学・プラスチックなど荷動き指数の減少幅が縮小する業種もあるものの、全体的に改善の動きは見られず、荷動きの減退が続く見通しという。
輸送機関利用の動向では1~3月実績の輸送機関別利用の動向指数で、全輸送機関で△50 を超える減少となった。2008年10~12月の実績と比べても、20ポイント近い下落となった。4~6月の見通しでは、鉄道コンテナ、内航コンテナで減少幅の縮小が見込まれるが、その他の輸送機関では小幅の変化にとどまり、各輸送機関とも厳しい利用削減が続く見通しという。
輸出入貨物量の動向では1~3月実績の荷動き指数は、外貿コンテナ、国際航空とも輸出で△70、輸入でも△60を超える大幅減となった。2008年 10~12月の実績から20ポイント程度悪化し、4~6月の見通しでは、荷動き指数に大きな動きはなく、小幅の変化で推移すると予測される。このため、外貿コンテナ、国際航空の輸出入とも荷動き減退が続く見通し。
在庫量と営業倉庫利用の動向は1~3月実績の在庫量と営業倉庫利用の動向で、原材料在庫、製品在庫、営業倉庫利用とも動向指数は△20を超える減少を見通している。2008年10~12月実績より15ポイント程度減少幅が拡大した。4~6月の見通しは、動向指数でいっそうの悪化が見込まれ、在庫圧縮や営業倉庫利用の削減がさらに進むと見られる。
運賃・料金の動向では1~3月実績の動向指数は、一般トラック、特別積合せトラック、鉄道コンテナでなんとか増加を維持する一方、内航コンテナ、国内航空、倉庫保管料では減少に転じた。2008年10~12月の実績との比較では、全機関で動向指数が低下。4~6月の見通しでは、鉄道コンテナがゼロ水準にとどまる以外は、残りすべてで動向指数が減少を示し、運賃・料金水準は下降する見通し。
このほか、物流コスト割合の動向は1~3月の動向指数は+5と、精密機械、一般機械、生産財卸が減少、金属製品がゼロ水準となったほかは、残りの 11業種が増加した。2008年10~12月の実績からは18ポイント低下しており、4~6月の見通しの動向指数は、3ポイント下降し+2と見込まれており、物流コスト割合の上昇圧力は緩和する見通し。