キョクレイ▼大黒・冷凍物流拠点に衛生管理システムを導入 
2009年07月03日 キョクレイはこのほど、国内最大級の冷凍物流拠点「大黒物流センター」(横浜市鶴見区、設備能力5万6130トン)に無線センサーを活用した衛生管理システムを導入した。システムは日立製作所のもの。
今回、日立が納入した衛生管理システムは、壁などに設置するだけで温度や湿度などを計測できる無線センサ「日立AirSense」技術を活用。同センサは無線で計測データをネットワークに伝達できるため、配線工事が不要で、低コストでの導入できる特徴を持つ。また、センサ自体が小型・軽量で小さな区画にも複数のセンサを設置することができるため、きめ細やかな温度・湿度監視を実現する。
キョクレイは、ニチレイの100%子会社。果汁や乳製品の取り扱いでトップシェアを誇る国内大手の低温物流会社で、国内最大級の冷凍物流拠点である「大黒物流センター」を保有する。
同センターは小区画の多温度帯室、検品室やサンプル室なども備えた施設として注目を集めたが、ユーザーからのトレーサビリティ需要に応えるためのさらなる施策として、日立の衛生管理システムの導入を決意。すでにセンター内には有線の温度管理システムが設置されていたが、これと連携した形で導入が図られた。
システム概要は次のとおり。
88ヵ所の既設の有線センサでの計測に加え、無線センサ「日立AirSense」を新たに32ヵ所に設置。これにより、特に小区画の多温度帯の部屋において、きめ細かな温度・湿度計測が可能に。同時に、近年ニーズが高まってきた荷捌き場などでの温度・湿度の計測も、無線を活用し低コストで実現させている。
ここで得られた計測データは、統合的にデータベースに格納され、ネットワークに繋いだPC上でリアルタイムに表示。倉庫のレイアウト図の上に温度データを表示させ、グラフで温度の推移を確認することができる。
またセンサごとに異常設定値を置き、温度や湿度の異常が起きた場合、それを画面上に表示させるだけでなく、警報をメールで自動送信。携帯電話からの受信もできることで迅速な対応を図ることができる。
このほか収集したデータをもとに日報を自動的に作成する機能も付与。必要な期間・センサのみのデータを、CSV形式で出力できるため、データの加工・編集や、ユーザーからの問い合わせ対応もすぐにできるようになっている。