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ラサール▼2010 年の世界の不動産市場は改善 

2010年03月03日

 不動産投資顧問会社であるラサール インベストメント マネージメント(本社=米国イリノイ州)はこのほど、2010 年の世界の不動産市場の見通しをまとめた調査レポート「不動産投資戦略」を公表した。
 同調査レポートによると、調査しているほぼすべての主要市場において、不動産の資産価値の急速な下落は止まり、投資家の信頼を取り戻し始めている。不動産の市場価格の不透明な状況は改善し、不動産取引高も増加し始め、2010 年はリスクに対するプレミアムが見直され正常化し始める年になるとみている。
 同社のグローバル ストラテジスト、ジャック・ゴードン氏は、「商用不動産の投資家は2010 年について、慎重ながらも楽観的な見通しを持つべきだ。しかし、不動産市場は一般の景気回復サイクルから遅れており、他の資産クラスと違う動きを見せる。不動産の賃貸収入による安定したインカムは、世界的な景気後退を大過なく乗り切ることができた。しかしながら、これらの賃貸借契約が弱含みの不動産市場で更新されるに従い、多くの国で今後の数年間、賃貸収入はマイナスの影響を受けるだろう」とコメントを寄せている。
 また日本については、アジア地域経済の回復に遅れているものの、「二番底」のリスクが後退。その一方で、不動産のファンダメンタルズは2012年まで厳しい状況にあるとしている。賃料の下落は一服し、今後の下落幅は限定的であるものの不動産純営業利益の低下はこれから生じるからだ。NOIの下落に伴い、返済不能に陥る物件、特にオフィス及び都心型商業施設物件の数が増加するのに従って、売買市場が活発になる。ただし、売買市場では、そうした強制売却による物件供給の増加に見合った機関投資家からの投資需要が想定されるため、市場の均衡状態の崩壊は回避されるとした。