双日▼インドで物流加工保税区と鉄道輸送複合のインフラ事業 
2010年09月15日 【LNEWS(http://www.lnews.jp)】双日は9月14日、インド物流最大手のアルシアと共同で、FTWZ(物流加工保税区)と鉄道輸送を合わせた複合物流インフラ事業を進めると発表した。
両社は同趣旨の基本合意書を結んだ。今後、資本提携も視野に入れ、共同で事業を進めていく。
FTWZは、ムンバイ近郊のマハラシュトラ州とデリー近郊のウタルプラデシュ州に位置する。FTWZは、輸出入手続きの簡素化・迅速化、貨物の長期保税保管、税制優遇などの制度面での優遇を与える経済特別区。
国内物流を含めた効率的な物流インフラを提供し、企業のインド市場への参入を促すほか、FTWZを活用することによって、保税蔵置・加工・再輸出など、インドを物流や製造のハブとして、中東やアフリカなどへ進出を図る企業にも大きな利便性を提供する。
双日とアルシアは、今回の提携により、おもにインドに進出を検討する企業や、インドを拠点として中東・アフリカへの進出を検討する企業の誘致を図り、FTWZに加え、最新鉄道輸送技術を活用した物流インフラを設営し、サービスを展開する。
中長期的には、ナグプール・コルカタ・チェンナイにも同様のFTWZを設営し、デリー・ムンバイを中心とした主要5拠点をカバーし、インドのほぼ全域で総合物流インフラ群を構築する。
インドのGDPの成長率は、年率8~9%であり、今後も高い成長を維持していくと見込まれている。中国での人件費の高騰による競争力の低下や、中国元の切り上げによる輸出環境の悪化により、生産拠点を中国からインドへシフトする傾向が強まりつつある。インドの物流関連市場規模は14兆円で、今後も拡大すると見込まれている。
インドにおいては、製造分野や流通分野など、将来、インドへの投資を検討する企業にとって、事業を支える基礎となる物流などのインフラの能力不足を指摘する企業があり、同分野の改善が急務となっている。
発展を遂げるインドの自動車産業において、自動車の輸送はすべてトラックによる輸送に依存している。自動車の輸送・サービスをFTWZに加え、最新の鉄道技術を活用したサービスを提供することにより、より安価で、機動的・効率的な運搬が可能となる。
鉄道輸送は、温暖化ガス特に二酸化炭素排出量が他の輸送方法に比べ低く、大量の貨物の輸送が可能。将来においても、低価格で環境負荷の低い物流インフラとして重要視されている。