新政権の影響をまとめると − 25 
民主党を中心にした連立新政権で、物流業界が揺れている。いろいろと言われているが、大きな問題をまとめると、2カ月以下の短期派遣の禁止、高速道路の無料化、暫定税率の撤廃、羽田空港の国際化といったところだろう。
政権が樹立してから約1カ月、次々と施策を打ち出そうとしている。中には、本当にできるのかと疑問を持ってしまうものもあるが、実現に向けて、着実に動いている。
物流にとって大きいのは、短期派遣の禁止だ。物流は波動のある業界。季節だけでなく、曜日でも波動がある。その波動に対応するのが、短期の派遣だった。2カ月以内の短期派遣が禁止されると、波動への柔軟な対応はほとんど無理だ。
短期派遣の代わりは、アルバイト・パートの活用。しかし、テスト時期には学生が集まらないなどという問題もあり、使い勝手が落ちる。そもそもアルバイトの人数が集まらないため、派遣を使っていた企業もある。“波動への柔軟な対応”という面から、短期派遣はなくてはならないものだった。
今後、アルバイトが集められなければ、正社員の増員や長期の派遣を活用しなければならない。それでは、固定費が上がることになる。そのコストを荷主に求められる企業はほとんどない。
これからは、アルバイトの集め方、配置などのノウハウを持った物流企業が勝ってくるのだろう。
(続)