統合で問題になる物流施設 − 42 
ゆうパック・ペリカンのみならず、M&Aなど、会社や事業を合併するときに、注視するのが物流不動産だ。M&Aがうまくいっているのかどうかを判断する一つの基準になる。
M&Aなどをすれば、両社の物流施設が存在する地域が発生する。その施設を統合するのか、両方とも使い続けるのか、判断が必要だ。
単純に考えれば、施設を統合して、どちらか片方のみにするのがコストを抑えられる。また、統合する既存施設のスペースが足りなければ、新たに物流施設を借りて、既存施設は利用しないという考え方もできる。
ただし、それには、両社の物流システムの統合や、作業の統一化、伝票の対応など、煩雑な調整が必要になる。そのため、机上で簡単に言うほど、物流施設の統合は進んでいない。
逆の見方をすれば、物流施設の統合まで着手でき、問題なく現場が動いていれば、物流現場の統合がうまくいった証拠にもなる。
M&Aが成功したかどうかについて、業績の伸びなども言われるが、実は、物流不動産を活用できているかを見るのも一つの目安になるのだろう。
今回のゆうパックとペリカンについては、話が始まってから3年経つ。それでも、現場は、うまくいっていなかった。それは、この統合話の成否を判断することにもなる。
(了)