バブル再燃か!? − 44 
ファンドが動き出したことで、今後も最新の大型物流施設の供給が増えていくと考えられる。特に、今まで動いていなかったため、「物流不動産バブル」の時期から比べれば、土地の値段が値下がりし、優位な条件で入手が可能になっている。年度末から、来年にかけての供給量は相当なものになる可能性がある。
どの程度、物流不動産熱が盛り上がるのかは、予測できないが、過去のように「物流不動産バブル」というような状況になるのか?誰が「ババを引く」のか?そういったことを考えて、この1年間を見ていくと、面白いと思う。
大型物流施設ができれば、集約ニーズもふくらみ、玉突き現象が現れてくる。ただし、大手荷主の物流網再編は進んでいると考えられている。物流再編で遅れを取っている大手荷主と、今まで大手に押されていた中堅規模の荷主が、集約のプレイヤーになるだろう。大型施設を利用する業界としては、通販業界が注目されるだろう。高齢化などで、通販需要が高まり、保管、同一梱包などの流通加工を行う場所として、大型の物流施設が求められる。
省エネ改正法の動向も見逃せない。今まで、環境への対応は企業イメージの向上によるものが多かった。しかし、国家戦略としてのCO2削減などが動き出し、大型かつ省エネに有効な物流施設のニーズが高まると考えられる。
玉突き現象から、築年数の経った「ビンテージ倉庫」の再活用なども、テーマとしてあがってくる。
また、開発・購入の検討をするために、物流施設の立地や、建物の評価といったビジネスにもつながってきている。物流不動産を取り巻く市場が動き出し、各所でビジネスが動き出している。
(了)