日立化成▼福島グループ工場の再開を断念 
2011年06月29日 日立化成(東京・新宿区)は子会社の日本ブレーキが持つ、福島県浪江町にある工場「浪江日本ブレーキ工業(浪JB)」の操業を停止することを決めた。浪江工場は福島第1原子力発電所事故の影響で警戒区域に入ったため、内部への立ち入りが禁止されていた。
今回の発表で、日立化成は浪江工場の再開を断念したこととなる。同社は原発事故後、日本ブレーキなどの国内拠点、日立化成や日本ブレーキの海外グループ会社の拠点を駆使して生産の補完を行ってきた。加えて、国内外の同業他社の支援も受けてきたが、震災前との比較では生産・供給体制は十分なレベルには至っていなかった。
今後に関しては、浪江JBが日立化成下館事業所の一角に生産拠点を確保し、約35億円を投じて生産設備を設置。生産・供給能力を引き上げることが決まっている。本年12月からの順次稼動開始を目指しており、この投資により、浪江JBの自動車のブレーキ用摩擦材料の生産能力は、2012年10月には震災前の5割程度まで回復する見通し。