渋沢倉庫▼食品初45フィートコンテナ輸送 
2012年07月18日 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
渋沢倉庫(本社・東京、笠原伸次社長)の東京港営業所で6月29日、食品輸入で初の利用となる45フィートコンテナから貨物の取り出し(デバンニング)が行われた。45フィートコンテナ導入に向けた試験輸送で、輸送効率化や環境負荷低減の成果とともに、コスト面での課題などを確認した。
コンテナ大型化に向け試験
荷主はサントリー。ウーロン茶葉を、中国福州市から東京港まで川崎汽船グループのケイラインジャパン(=KLJ、本社・東京、河内満社長)が輸入し、国内の陸送と保管を渋沢倉庫が担当。空になったコンテナは、KLJのタイ向けLCL(小口混載)貨物に転用し、再輸出される。
輸送実験は、コンテナを大型化し、「輸送効率化によるコストダウンやCO2(二酸化炭素)削減」(河野真人サントリービジネスエキスパートSCM本部物流部長)を図るのが目的。従来の40フィートコンテナより約14%多く積み込め、CO2排出量を約12%削減できたという。サントリーは26年からの本格導入を目指している。
コストと手続きに課題
「45フィートコンテナは日本でも脚光を浴びつつある」と安達均KLJ輸入営業グループグループ長。特に輸出企業から問い合わせを受けるという。 一方で、課題は輸送コスト。海上運賃の交渉が今秋から始まる。
手続き上の課題も。公道走行が法令上規制されているほか、「45フィート用シャーシを戦略港湾エリアで走らせるのにも、車検期間が短くコストが掛かる」(渋沢倉庫永岡照久東京支店長)。解決には、国の政策的支援が必要になる。(松井 悠)