物流不動産ニュース

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野村不動産アーバンネット アセット営業本部コーポレートパートナー事業部事業二課 桑岡伸治課長 − キーマンに聞く 第3回 

「キーマンに聞く」第3回目は、野村不動産アーバンネット(本社=東京都新宿区)のアセット営業本部コーポレートパートナー事業部事業二課長の桑岡伸治 氏。同社では3年以上前から事業用不動産のカテゴリーの1つとして物流企業向けの取組みを強化してきたが、桑岡氏は、同事業の牽引役として、これまで数多 くの物流企業のスクラップ&ビルド、物流不動産ファンドを活用した高機能施設建設のニーズに応えてきた。今回は桑岡氏に、同社の物流不動産への取組みと、 今後についてお話を伺った。

物流不動産について熱く語る桑岡氏

-物流企業向けの取組みを強化したきっかけについてお話ください。

 当社では、「全国各地で得られた土地情報と、事業者の賃貸ニーズを結び付ける」不動産のプロとしての立場で、物流ビジネスにおいても、いかに事業者様に収益を生み出せることができるかを提案。仲介に限らずファンド化の提案・支援までを幅広く行っています。

 当初は、物流施設をスクラップ&ビルドし、オフィスやマンションなどの事業用資産に転用を図る、資産整理中心の事業でしたが、近年の通過型セン ター(TC)など3PLに対応した高機能型施設の要求、所有することから賃借へのニーズ移行を受けて、物流不動産ファンドなどを活用した物流施設提供提案 に乗り出したのが、いまから3年以上前のこととなります。

 物流不動産ファンドや仲介業務においては、これまでさまざまな実績を積み、手順もスキーム化され、確立しています。財務諸表上のコンサルティング 役として、物流業者側が目に行き届かない部分をフォロー。資金調達などのアドバイスも行い、当社の「ネットワークと情報量の豊富さ」を武器に事業を展開し ているところです。

-ここ数年の物流分野での不動産投資状況の移り変わりについて、どうみていますか?

 物流不動産ファンドを活用しはじめた当時はまだ不動産投資の取組みは初期段階で、プレイヤー数も少なく、首都圏を中心とした施設用地取得も比較的 容易にできていたのですが、その後、新規参入業者も増え、1年半ほど前から、土地の価格は高騰しています。当社では、アンテナを張って、できるだけ多くの 土地情報確保に尽力していますが、首都圏で新規に施設用地を取得することは難しくなってきていますね。

 最近では地方案件も増えてきています。卸協同組合などからの依頼を受け、資金調達法の仕組みづくりを含め、アドバイザー的な立場から情報提供や助言を行っているところです。

-桑岡さん自身が、今後、取組んでいきたいテーマとしては、どのようなものがあげられますか?

 中小企業支援ですね。現在、中小企業支援策として2つの手法に着目しています。

 1つは「物流総合効率化法(物効法)」です。「物効法」には市街化調整区域の有効活用などが盛り込まれ、活用法によっては、安いコストで使いやす いセンターが建設できるからです。ただ現在のところ、行政上のハードルが高く、市街化調整区域で建設されたセンター事例が少なく、この辺は善処が求められ る部分だと思っています。

 あと、もう1つは地方の活性化ですね。相談を受ける機会が、首都圏から地方へと軸足が移行しつつあるなか、物流企業様から紹介を受けて、町全体の 不動産価値を高めるために、町おこしに近い形の話をいただくケースもでています。ビジネスとしてみると、まだまだこれからだとは思いますが、物流業務を入 口とし、中小企業の活躍の場となる地方を活性化させていくことで、全体の底上げにつながれば、と思っています。

野村不動産アーバンネットが運営する事業用不動産サイト「ノムコム・ビズ」
http://www.nomu.com/biz/