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物流業界▼1~7月海外企業買収が大幅増 

2013年09月12日

【輸送経済(http://www.yuso.co.jp/)】
 「ことし1~7月の物流会社に関わるM&A(企業の合併・買収)件数は前年同期比の約1.5倍。交渉中の案件や相談数も多く、下期も順調に伸びる」と、国内外でM&A仲介を手掛けるレコフの沢田英之リサーチ部長。市場は底打ち感が見られ、今後も順調な拡大が見込まれるという。
 活況の背景にあるのは、国内景況感の改善。日銀短観でも設備投資意欲の高まりが示され、M&Aも事業投資の一環として増加機運。「企業の内部留保が増え、その余剰資金が動いていると考えられる」(沢田部長)。
 特に、国内企業による国外企業のM&Aが活発。7月時点で過去最高水準だった昨年1年間と同数に達した。国内市場停滞の中で、各社が海外事業拡大を重視していることも後押しする。
 地域的な傾向はなく、アジア・北米・欧州などさまざま。「地域・業態とも多様なパターンがある。それだけ裾野が広いともいえる」(同)。
 安倍政権が進める円安の影響は「ほとんどない」(同)。物流企業関連のM&Aの場合、為替変動による価格差がさほど大きくないことも一因。株価の値上がりも、買収価格に影響するため為替よりはインパクトが大きいものの、「M&Aの件数に影響を与える水準ではない」(同)。
 半面、影響が見られるのは、周辺国との関係悪化。新たに海外展開を予定していた企業が、政情を考慮し進出を見送る事例が複数発生しているという。
 とはいえ、グローバル競争激化など、M&Aが進む環境は今後も継続が見込まれる。「M&Aの認知度向上も考えれば、来年以降も件数が増加する可能性は大きい」(同)。(村山 みのり)