内閣府▼福通、西濃ら4社を指定公共機関に追加 
2013年11月01日 内閣府は10月1日、災害対策基本法で定める「指定公共機関」に福山通運、西濃運輸、佐川急便、ヤマト運輸の4社を指定した。同機関に物流事業者を追加するのは初めて。
指定公共機関に選ばれた事業者は災害時、国や地方自治体と協力して緊急事態に対応することが義務付けられている。4社は全国規模の物流網を生かし、緊急支援物資の輸送業務を担う。
物流業界ではこれまで日本通運、日本貨物鉄道(=JR貨物)が指定されていた。だが、おととしの東日本大震災は被害が広範囲に及び、専門家などからは「指定公共機関の拡大が必要」といった意見が出ていた。
国民保護法などの実績考慮
このため内閣府は平成23年10月から、今後の大規模災害時の対応を検討する有識者会議で議論を開始。「2年前の震災で4社が広く活躍した」(内閣府)経緯などを踏まえ、追加が必要だと判断した。
武力攻撃を受けたり、テロが発生した際に住民の保護、避難などを定める国民保護法の指定公共機関に4社が選ばれていることも参考にした。
業界から要望のあった指定公共機関に全日本トラック協会を指定しなかったことについて、内閣府は「今回は事業者だけを選ぶことになった。今後必要があれば随時追加する」としている。(輸送経済・小林 孝博)