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物流改善を進める会▼イーソーコ・大谷副社長、勝ち組になるには物流不動産知識が不可欠と熱弁 

2007年12月04日

 物流改善を進める会(事務局・ロジスティクスIT研究所)は11月27日、東京都港区のメルパルクにおいて、「緊急・物流改善セミナー」を開催。「トヨタ式改善活動の基本的取組み」(豊田自動織機物流エンジニア営業部・天野健次・担当部長)、「3PLファッション物流によるSCMの実現」(ムービング業務企画部業務企画課・小栗準一・リーダー)、「統合輸配送管理システム導入による食品、流通にみる効果!!」(光英システム・葦津嘉雄社長)、「運行管理業務とシステム導入効果」(信濃運輸・林俊彦・常務取締役、ビッグバン・ソリューション営業統括部・鈴木博巳氏)、「物流業界に直言。いま注目の物流不動産活用で勝ち組へ」(イーソーコ・大谷巌一副社長)の5講演が行われ、約100名が参加する盛大なものとなった。
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写真は“熱弁”を振るうイーソーコ(㈱)大谷副社長
 このなかで、イーソーコ(本社=東京都港区、遠藤文社長)の大谷副社長は「物流業界に直言。いま注目の物流不動産活用で勝ち組へ」のなかで、物流業界で注目される3PLについて、次のように解説。
 「ネットのフリー百科事典『ウィキぺディア』によると、3PL事業は許認可制でないため法的には3PL事業者なるものは存在しない。『3PL事業の展開を公称する企業』をもって3PL事業者の定義とするとある。すなわち定義のない事業形態であるのだが、一方でこういう解説もされている。荷主企業側からみた場合、生産から販売にいたるまでのロジスティクスは企業活動の根幹のひとつ。効率的なロジスティクス活動には倉庫や貨物自動車、ソフトウェア、人的資源などのインフラの充実が欠かせない、しかし、これらのインフラの拡充には相応の費用と時間が必要となるので、ロジスティクス活動の一部、あるいは全部を物流業務を専門に行う第三の企業に委託し、外部の資源を有効に活用する選択肢が発生するとある。また3PL事業者からみた場合、すでに自社の資産として保有するハードウェアやソフトウェアを荷主企業に開放することによって、少ない投資で増益が見込めるとある。すなわち荷主と3PL事業者双方の利益の一致により、3PLが形成されるのだが、『3PL事業者側には、より効率的なロジスティクス、すなわち倉庫などのインフラを提供できる余裕がない場合が多い』と問題点をあげている。結局のところ、いま現在、3PL事業者として成長している企業は、物流施設などインフラを充実させている一部の大手によって占められているのはそのためだ」
 しかし中小物流業者に勝ち目がないかというと、そうではない。外資系ファンド会社を中心に進む高機能型のいわゆる物流不動産施設は、従来は、大手メーカー、大手物流業者が独占する形となっているが、そうした動きが一巡し、いまはちょうど中小物流業者でも獲得できるチャンスがある時期だと指摘。外資による投資は今後も活発に行われていくなか、物流不動産の知識を持って、挑めば、高機能なインフラを活用し、たとえば荷主が求める複数のマザーセンターの集約化を図っていくなど、3PL事業の武器として活用できると説明。実際いまでも、超大手の企業ではなく、物流不動産の活用を武器に収益を伸ばしている物流業者はあるとし、また自社の空いた施設については、リファインによって収益向上が図る手法もあると述べた。
 そうしたうえで、イーソーコでは、これまで社内・ASP先に向けて行っていた物流不動産ビジネス研修を来年2月から一般向けに開講すると発表。物流不動産ビジネスのノウハウを提供することで、物流業者の収益改善に貢献していきたいと抱負を語った。