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アメリカ物流トレンド見聞 その2「これからの物流改革はシリコンバレー発」 - 122 

私はこれから「UBER」が日本の物流を変える可能性があると考えている。スマホアプリを使ったタクシー配車サービスで、近くを走っている登録車両をハイヤーのように利用できる。事前に支払金額がわかり、しかも海外ではタクシーに限らず自家用車でも登録車両になれる。タクシー業界からは当然反発が大きい。 

ユーザーはスマホの地図上で乗車したい場所を指定して車両を呼び出し、乗車する。降車時の支払いは事前にアプリに登録したクレジットカード情報を元に決済できるため、金銭のやりとりが発生せずに利用することが可能である。現在では世界54カ国、250都市以上でサービスを展開しており、東京にも2013年11月に進出している。もっとも日本では国土交通省からの指導もあり、営業用タクシーのみのサービスとなっている。

これは物流の求車求貨に応用できると、個人的には考えている。多くの場合、トラックは前日か前々日までに予約しておくが、UBERを使えば、前日までに予約していなくても、近くを走っている空トラックに今日送りたい貨物を積載することができる。物流にはかなりの無駄がある。海上コンテナにおいては日本から出ていくコンテナの半分ほどは空だし、トラックも帰り便の荷物がなく空で走ることは多い。今までは直前にならないと物量が確定しないので、見込みで大き目のトラックを予約したりしていた荷主や物流会社も、物量が確定した時点で、UBERを使って周囲の空きトラックを探し、2₋3時間で出荷ということも可能になる。ドライバーも空のまま帰ることなく、実入りにすれば収入アップにもつながる。今ほどのトラックドライバーも必要なくなり、本当にドライバー不足なのであれば、問題解消の一助になる。

このUBER、サンフランシスコの会社である。やはりという気もするが、APPLE, GOOGLE, FACEBOOK, YAHOO, INTEL, ORACLE などなどサンフランシスコから車で南に45分のシリコンバレーに本社を置いている。このサンフランシスコ周辺はITやエンジニアの頭脳集団がドンドン集積している。物流にはあまり関係ないというイメージがあるかもしれないが、そんなことはない。シリコンバレーで開発された技術は、確実に世の中を変えつつあるのだ。物流においてもその動向を常に注視しておいて損はない。

(日本物流不動産株式会社  代表取締役 池田晃一郎 2015.10.05)

 

日本物流不動産株式会社:平成25年設立。倉庫賃貸をはじめ、倉庫や事務所等の商業用不動産の仲介、外国人向け物件紹介サイトの運営が主業。物流業務に役立つ「物流不動産英語塾」や高品質なメイドインジャパンのアジア向けEコマース事業も展開中。

日本物流不動産株式会社HP