日経新聞の６月３０日付２面に青島の「二股外交」という記事が掲載された。中国２位の青島ビールがアサヒビールだけでなく、サントリーとも提携したことの解説記事だ。
　同じ時期に、物流でも同様な記事が掲載された。
中国の大手船舶会社上海市錦江航運有限公司（錦江航運＝ジンジャン・シッピング）が三井倉庫、住友倉庫それぞれと合弁会社を設立するというもの。
　日本―上海航路で強みを持つ錦江航運だが、陸は弱く、保管やロジ面で課題があった。それを国際物流の荷物を持つ日本の倉庫会社を取り込むことで補強する。
　今回、それぞれの合弁会社が倉庫を建てる外高橋物流園区２期内も、錦江航運が取得した土地だという。
　一方で、日本企業が中国で物流を行うのに、独資で行う方法もあるが、中国の現地企業と合弁会社を設立すると早く進むことが多い。
　マーケットも、中国での保管需要は高く、既に進出している日本の倉庫会社の物流施設はほぼ一杯という状況だ。このような中で、今回の合弁会社設立のニュースだ。
　ただし、日経の青島ビールの記事の最後には、技術を取られただけで、中国市場を開拓できなかった日本企業の事例が出ている。そうならないためには、技術だけでなく、稼ぐ戦術が重要だ。