楽天のケンコーコム買収 − 65 
物流で取り扱い荷物量が増えているのが通販業界だ。物流各社は、通販業界向けにサービスを提供している。細かい仕分け作業やラベル張り、請求書の同封など、物流の流通加工が得意とする分野だ。
一言で通販と言っても業態はまちまち。カタログ通販からテレビ通販、そしてネット通販へと広がっていった。今、通販業界を牽引しているのはネット通販分野だ。
今回、楽天がネット通販会社のケンコーコムの第三者割当増資を引き受けて、子会社化する。ケンコーコムは、その資金で物流のインフラ、システムの効率化、中国展開などに利用されるという。
通販として物流が重要なポジションを占めているのがわかる。また、ケンコーコムだけでなく、通販企業の多くが、海外展開を強化するため、海外物流の需要も高まるだろう。
好調そうに見える通販業界にも裏はある。ネット通販は参入障壁が少ない分、企業は増えている。利便性から市場規模も増加しているが、ネットの特性上、価格競争などにさらされやすい。売り上げが増えていても、各社が利益を上げられているかというと、一概にはいえないという。
今回、楽天がケンコーコムを子会社化したのも、ケンコーコムは二期連続で赤字を計上していた事情がある。価格競争に陥っている業界では、そのしわ寄せは物流にも来るだろう。