西武運輸のM&Aが業界再編の引き金か? − 7 
西武運輸の株式をセイノーホールディングスが100%取得するニュースが、物流業界に走った。売上高800億円を超える企業。物流企業で久しぶりの大型M&Aとなる。
これを受けて、物流業界の再編が進むのではないかという意見が出てきている。
ここ数年、物流業界で再編が進むといわれてきた。特に、陸運企業は、6万社を超え、過当競争を繰り返してきた。規制緩和の悪い面が表面化した。
過当競争の行き過ぎから、再規制を望む声もある。業界からは、「3万~4万社が適正。参入を規制し、そこまで企業が倒産するか、M&Aなどで企業の合併が進まないと、適正な物流業界にはならない」という人もいる。それだけ減らなければ、運賃競争に歯止めがかからないという考えだ。
ドラッグストアや家電販売店などで進んだ業界再編。物流業界でも、中小企業が多く、再編のポテンシャルはあると評価されている。そして、何かのきっかけがあれば、一気に進むと見ている。
物流業界の再編は、爆発近くの臨界点に達しているのだが、最後の一押しがないために、進まない状況だ。
だからこそ、今回の西武運輸M&Aのニュースが、業界再編の引き金になるのではないかと期待されている。