相手の立場を考えるということ − 38 
取材を受けるということの大変さも実感した。相手が、この質問から何を求めているのか?を考えながら、答えるのはなかなか難しい。考えながら話していたため、目が横を向いていた。
記者をやっていたとき、質問をすると、じっくり考えながら答える物流企業の社長さんがいた。こちらが質問してから、相手の社長が話し出すまで静寂の間がある。その静寂を邪魔すると、相手は、少しイラッとした表情を見せた。流れを作ることができず、インタビューがやりづらかった。
その当時は、なぜ間を作るのかが、分からなかった。しかし、実際に取材を受けると、相手の心情がよく分かった。当時の自分の質問も悪かったのだと痛感した。立場が変わって見えてくることに、今更ながら、驚いている。
テレビの話に戻すと、物流業界の現状を取材者に伝えるということ、さらにその先の、一般の視聴者の立場になって伝えるということ。そこまで見通して取材の準備をしないと、メディアへの露出を増やしていくことは難しそうだ。
(了)