物流施設の楽しさ − 97 
物流不動産に携わる人々にはごく当たり前のことであっても、一般の人からは珍しく見えるものも少なくない。物流業界は、実は人々の興味を掻き立てるモノに満ち溢れているのではないだろうか。
東京ビッグサイトで12日まで開催されている「国際物流総合展」を見た。趣向を凝らしたブースが並ぶなか、ひときわ目を引いたのがいわゆる自動倉庫システ ムの展示だ。動きまわる搬送車の前で多くの人が足を止めて見入っていたが、かくいう私もその一人。高々と組み上げられたラックに沿ってゴンドラやリフトが 滑るように動くさまは視覚的な楽しさがあり、見るものを飽きさせない。
倉庫というと、「静」をイメージする人は多い。確かに従来型の保管倉庫にはそうした面もあるが、物品が次から次へと流れていく物流施設は「動」の世界だ。 特に高度にオートメーション化された施設は、様々な技術が盛り込まれたテクノロジーの塊といって過言ではない。その効率化のためのノウハウには、業種を超 えて通用する部分もある。物流施設で採り入れられている技術やノウハウを知ることは、多くの企業にとって有益なはずだ。
とはいえ、多くの人にとって物流施設や倉庫は未知の世界。まずは見る楽しさを知ってもらうことが大切だろう。物流施設の楽しさが認知されれば、物流不動産ビジネスに興味を持つ人の数も増えていくのではないだろうか。
楽しさを伝えることも、私たちの役目なのだ。
(久保純一)