今年の物流不動産 − 59 
昨年後半から、物流施設に関する記事が増えたように思う。
昨年末に国土交通省が発表した建築物着工統計でも、23年7月~11月の倉庫の着工延床面積は前年同期に比べて5カ月連続で増加している。
最近の物流不動産ニュースで取り上げている記事で見ると、カンダホールディングス(本社・東京)や、日本ロジテム(同)、サンリツ(同)、東部ネットワーク(本社・横浜市)、日本トランスシティ(本社・三重県四日市市)など中堅企業の名前が挙がっている。
一方、ファンドでも大型物流施設の建設は、ここ3年は行っていくという話がある。今後も、大型物流施設の供給は進んでいくだろう。
既に倉庫の面積だけ見れば供給過剰な状態だが、建設が推し進められる理由になっているのが“耐震”だ。
昨年3月の東日本大震災以降、物流施設の耐震については、中堅以上の荷主であれば、必ずと言っていいほどチェックするようになった。
そのため、旧耐震のままで耐震補強されていない倉庫から、最新の物流施設への動きが加速される。
こういった“耐震”をめぐる動きの中、既に大型物流施設は、大手荷主、大手物流企業だけが使うものではなくなってきた。中堅荷主・物流企業も活用を始めた。
今年も、“耐震”の物流施設の開発は進んでいくだろう。