物流不動産ニュース

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医療介護教育サービスと物流 − 第6回 新経済成長戦略と物流不動産

 我が国の物価はコーヒーやハンバーガーなどで比較される。最近は住宅と自動車がアジア各国と比較されている。アメリカ、EUで はたばこはべらぼうな価格になっている。1000円は当たりまえで、ホテルで購入すればチップまで入れると2000円相当にもなる。禁煙ブームは欧米から 始まったが、当然の流れでもある。懲罰的な価格なら止めざるを得ない。避暑地の別荘はEUなら2ヶ月を持てあますほどに生活の一部になっている。

 労働は勤労の誇りではなく、懲罰、罰則だと信じるラテン民族は世界を明るくしてきた。

 都市のアパルトマンに済みながら、夏は牧場のある避暑地で家の手入れを行うライフスタイルが親子代々続いているのも珍しくない。土地の価格か、アパートの家賃か。比較してどうなるものでもない。

 我が国のガソリン価格はアメリカの3倍、それでも車関連に消費する総額はアメリカ人には及ばない。国民生活によって消費支出の内訳は代わり、ただ単に物価比較を行っても無意味である。

 我が国の医療サービスは医師の疲労とは裏腹にアジアには魅力的に写っている。治療費以前に装置の見事さがあるからだ。MRI3億円、CTスキャナー2千万円の機材が中堅病院には装備されている。医療看護士は疲れているが、機材取り扱いの技術士は就職に事欠かない。

 医療ツーリズム産業がわき起こり始めた。観光と人間ドッグ、専門治療を旅行会社がパンフレットで売り始めている。アジアの富裕層=中国なら3億人だとか!への、長寿サービス産業セールスなのだ。

 東欧のルーマニアは革命によって共産化を逃れたが、経済は目立たない。スポーツのコマネチ、ムトー、ハジの他に世界に出てゆくチャンスがなかった。

 アンチエイジング産業=今ならエステ、痩身化粧品か?。欧米セレブや芸能人に知らないものはない。黒海近くの森に美容施設が続々と息づいているらしい。

 我が国の温泉、風光明媚な観光名所には地域の医療機関が最先端の機材を保有している。しかも稼働率が低く、治療費はまだまだ下がる余地がある。…医療保険制度は自国民への制度なので、外国人向け料金体系設定には問題が残るが。

 世界に誇る売り物がまだまだ遺されている。もっと磨き上げてゆくものがある。物づくりにこだわって、ガラパゴス化を一層招く以上にサービスやもてなし、世界に我が国文化や消費の中心になりつつあるお年寄りが望むものを提供できるチャンスはあるのだ。

 内需主導にこだわらず、外需を取り入れれば生産性も高まり、価格競争力も上がってくる。富裕層相手の際物産業ではなく、ここから普及してゆくサービスもあるはずなのだ。

 観光業界、人を運ぶこれも物流であることに気づくのは誰が先頭か。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵)