捨てる覚悟 − 第10回 物流不動産営業12の心得
東北地震の被災地と失われた魂への祈りを捧げます。
事業の戦略とは、選び出して特化することだ。選択と集中こそ、限られた人材と資源の中小企業にとって忘れてはならない戦略の第一歩である。逆に言 えば、ムダを捨てること、ムダではないと思っても捨てることだ。捨てて、捨てて、最後に残った人材、資産、ツール、ノウハウ、計画、実績こそが強みの源泉 であり、それを一層強化することが戦略だ。
改善活動はともすれば弱点の補強に向かう、できないことをできるように努力する、価値ある心がけではあるが戦略的ではない。なぜなら、戦略は二兎を追えないからだ。できなかったことが、出来て褒めてくれるのは身内の母親だけである。
強みや長所を伸ばしてこそ際立つ。競争力や差別化も瞬間の強さにはかなわない。改善などという悠長さは競争には無用なのだ。
得手に帆を上げて、とはこのことを言うのだ。そのためには捨てる覚悟を忘れてはならない、常に取捨択一の心がけで強みを強化しよう。するべき事を選んでいこう、迷いは禁物なのだ。失敗と気づくまで集中しよう。
見込み客も選ぶべきだし集中しなくてはならない。ついでの営業なんて、女神がもっとも嫌う手法だ。捨てる神あり、というではないか。選択と集中こそ、戦略の基本であり、忘れられがちとなる営業にとっての王道であることを刻んで欲しい。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵)