「ま・とめ」 − 第6回 現場のスローガン 物流改善12の視点
おばあちゃんが玄関先のクツの乱れ、障子の開け閉て、浴衣の帯、傘立ての仕舞い方を眺めては、「きちんとしていない人を七厘と呼ぶ」ことを教えてくれた。要するに間抜け、間が悪い、だらしない、ということらしい。
人の動きや仕事の仕方、作法や礼儀、段取りや生活、生き方、話しぶり、およそすべての所作には『間』という悪魔が潜んでいます。間が悪い、魔が差した、というように、間と魔は同じことなのです。
「ま・とめ・まとめ」は3連活用して考えてみましょう。
『間』 はご存じのようにタイミング、段取り、・・・・
『止め』は、置き方、仕舞い方、留め方、・・・・
『まとめ』は、バッチ、まとめ作業、作業の計画、分割、分離、・・・
『ま・とめ』というのは、分かりやすく、でも忘れやすい、見たら気づく、言われたら分かる納得、という物流でも一番効果のあるキーワードなのです。
ヒトやモノ、作業や仕事、人の動きや意欲、計画と実績、社風と雰囲気、みんなみんな『ま・とめ』で測ることができる訳です。
ま・とめ のある職場はプライドが高い、誇りや自信に満ちている。品質やコスト、スピードもきっと成功するに違いありません。
『ま・とめ』スローガンの良さは、誰でも分かる、知っている、気づける、納得できる、評価できる、だんだん良くなる、先輩と新人の違いがハッキリする、ベテランの味が出せる、さすが!という余地がいくつでもある、さらに研究できる、まだまだ奥がある、極めることが難しい、永久改善につながりますね。
方法や手段、最初にすること、最後にする事、毎日する事、点検する方法、・・・・・誰にでもいつでも、いつまでも現場を見るときに使えるスローガンなのです。
(イーソーコ総合研究所主席コンサルタント 花房 陵)