物流不動産ニュース

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見る管理 − 第4回 現場のスローガン 物流改善12の視点

『私たちの使える時間は、盗まれるものだ』、と時間の大切さと気づかない事の危うさを紹介したのがミヒャエル・エンデの『モモ』という小説。モモという女 の子を主人公にした「時間ドロボー」との対決を著した全国優良図書です。子どももおとなもセカセカとした毎日を振り返り、本当に大切なものを探す旅を続け ます。人に許された1日、一年で525,600分は誰にでも共通。その時間を豊かに過ごすか、しっかり稼ぎながら有意義な人生とするのか。はたまた、回り の人に指示され、そのために使わされ、ムダにため息を付くような時間を過ごすのかは、大事な視点です。
 放っておくと、他人に私の大切な時間を盗まれてしまうのです。私たち物流関係の仕事は瞬間、瞬間が大切。同じ仕事は明日ではできない。作業や配送も今日 は一回だけ。サービス業にはその宿命があって、生産や販売とは全く違う。やり直しができない、という点では「その瞬間の時間」を大切にしなくてはいけない のです。
売上と経費も時間の問題です。配送回数や処理個数も時間の原価がかかっています。売上は料金単価が決まっていますが、それも原価を元にして決めています。 1時間でどれだけ運べるか、どれほど処理できるか、だったら幾らにしておけば良いのか。利益も時間の管理次第で増やせる、ということが真理なのです。 100万円の売上があるなら、どれほどの経費でこなすように計画するかによって利益は決まります。終わってみなければ分からない、というのなら自分の時間 を誰かに盗まれていることになるのではないでしょうか。あちこちで定着してきた「見る管理」とは時間と量をわかりやすく表現することなのです。間違っても スローガン作り、グラフの加工に一生懸命になって「時間を潰して」はダメですよ。
(イーソーコ総合研究所主席コンサルタント 花房 陵)